TYPICA Holdings(ティピカ ホールディングス)は、コーヒー生豆のオンラインマーケット事業を展開しているスタートアップです。
2024年3月時点で、世界5拠点・71カ国で事業を展開し、55カ国の生産者とロースターによる売買と流通を実現しています。
本記事では、TYPICA Holdings株式会社の詳しい事業内容や将来展望を紹介しています。
事業内容:コーヒー生豆のダイレクトトレード
そもそもTYPICAって?
TYPICAとは、コーヒー生豆のダイレクトトレードを通して、生産者とロースター、生活者がつながる機会を提供するプラットフォームです。
コーヒー生産者とロースターは、麻袋一袋単位でのコーヒー生豆のダイレクトトレードが可能です。
TYPICA Holdings は、第三者を排除することに重点を置いているわけではありません。最適なパートナーと協力し、生産者とロースターが最もスムーズに取引できる環境を提供するよう努めています。
TYPICAでは、ダイレクトトレードを、「生産者とロースターが直接コミュニケーションを取り、価格の透明性が確保されている状態で行う売買」と定義。
両者の間に中間業者が介在しないこと=ダイレクトトレードではありません。例えば、自国の言語しか話せず、銀行口座を持たない小規模生産者にとって、現地のパートナーは重要な存在でしょう。
革新的な3つのメリット
- 生産者とロースターが、麻袋一袋からコーヒー生豆をダイレクトトレード
通常、生豆のダイレクトトレードはコンテナ単位で行われますが、TYPICAは複数のロースターが購入した生豆を一つのコンテナにまとめて輸入します。そのため、生産者やロースターの制限を受けることはありません。 - 価格の透明性が確保されている
生産者は、自ら価格を決定できます。ロースターは、購入前に価格の内訳を確認できます。この仕組みによって、フェアな取引が可能です。また生活者は、トレーサビリティが明確な透明性の高いコーヒーを購入することができます。 - 旬のコーヒーの流通
通常、コーヒー生豆は、輸入国の倉庫に到着してから販売されます。一方でTYPICAは収穫されたコーヒーの精製を終えてすぐ、まだ生産国にある段階でサンプルを取り寄せ、オファー(購入予約受付)を開始します。いち早く生豆を販売できる生産者、新鮮な生豆を購入できるロースター、新鮮なコーヒーを愉しめる生活者。三者にとってプラスになる状況が生まれます。
資金調達
TYPICA Holdings株式会社は、2024年の3月に総額15.5億円を調達することに成功しました。これにより、TYPICAの累計資金調達額は約30.5億円となりました。以下は、主な出資者のリストです。
ベンチャーキャピタルならびに金融機関は、デライト・ベンチャーズ、WiL、環境エネルギー投資、ABCドリームベンチャーズ等、
また、個人投資家からも出資を受けています。 これらの投資家や事業会社の出資により、今後のTYPICA Holdings株式会社のさらなる事業展開が期待されます。
将来展望
今後の展望として、後藤氏は「2030年までにアラビカ種の33%がダイレクトトレードされる、世界一のコーヒーマーケットをつくることです」と述べています。そして長期的には、「ダイレクトトレードにより関わる人々の情熱を育み、生活を豊かにし、コーヒーをより美味しくサステナブルな飲み物にすること」を目指しているという。
加えて、自社のビジネスモデル及び市場戦略によって、国内のみに可能性を閉ざしがちな日本のスタートアップにとってのロールモデルとなることで、世界を代表する日本発のグローバルスタートアップが群生する未来を牽引していくことになるでしょう。
会社概要
会社名:TYPICA Holdings株式会社
設立:2020年8月
代表者:代表取締役CEO 後藤将 / 代表取締役CQO 山田彩音 / 代表取締役CFO 浅子信太郎
本社:大阪市中央区南船場4-12-8 関西心斎橋ビル8F
Webサイト:https://typica.jp