旅行先でコインロッカーが空いておらず、「スーツケースを預ける場がない」「嫌々重い荷物を持って歩く」といった経験がある方も多いと思います。そんな問題を解決するスタートアップが、ecbo株式会社です。
ecbo株式会社は、「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をつなぐシェアリングサービス「ecbo cloak」を提供しています。このサービスでは、ネットで事前予約をすると、カフェや美容室などお店の空きスペースに荷物を預けることが可能です。
最近では、京浜急行電鉄株式会社と資本業務提携し、8月19日より羽田空港第3ターミナル駅にて「訪日外国人観光客向けの手荷物当日配送サービス」の実証実験を開始したとのニュースもありました。
本記事では、同社の事業内容や最近の資金調達状況等について詳しく説明しています。
事業内容:荷物預かりサービス「ecbo cloak」の提供
ecbo株式会社の事業内容は、荷物預かりサービス「ecbo cloak」の提供。
「ecbo cloak」とは、スマホ予約で簡単に荷物を預けることができるサービスです。日本全国1,000店舗以上と、初の海外展開として2023年8月より台湾にてサービスを提供しています。
ユーザーはアプリから駅構内や郵便局、カフェなど、荷物預かりが可能な街中のお店や施設を検索し、事前予約・決済で簡単・確実に荷物を預けることができます。
ベビーカーや自転車、スポーツ用品、楽器など、コインロッカーに入らない大型荷物の預かりも可能です。また荷物の紛失や破損など、万が一に備えた保険も自動で付いており、安心して預けることができます。
ユーザーだけでなく場所を提供するパートナーにもメリットあり
「ecbo cloak」のビジネスモデルは、空きスペースを提供する側(パートナー)にも以下のようなメリットがあります。
- 空き時間の空きスペースを有効活用
- 利用料金の50%が副収入に
独自の審査と保険で、ユーザーの不安を解消
私物である大切な荷物を他人に預けることに抵抗がある方が大半だと思います。そこで、ecbo株式会社は、セキュリティと万一の保険を整備しています。
<セキュリティ面>
- 「ecbo cloak」に登録されている店舗は、安全性や健全性について、ecbo独自の厳正な審査をすべてクリアした店舗のみ。
- チェックイン時には、店舗スタッフがお客様のお荷物を写真撮影し、その写真が預かり証の代わりとなります。この写真は店舗とお客様双方に共有され、チェックアウトの際に提示いただくことで、荷物の受け取りが可能となります。
<保険>
- 東京海上日動火災保険株式会社の協力のもと、荷物に自動付帯される保険を提供。
- 万が一、荷物の紛失、破損、盗難が発生した場合には、最大20万円まで補償されます。
資金調達:本田圭佑氏が率いる個人ファンドからも調達
<2018年、シリーズA>
- 調達額:非公開
- 出資元:東日本旅客鉄道株式会社、株式会社JR西日本イノベーションズ、株式会社メルカリ、他複数の個人投資家
<2023年、シリーズB>
- 調達額:非公開
- 出資元:KSK Angel Fund LLC、千島土地株式会社、ケネディクス株式会社、他複数の個人投資家
今後ecbo株式会社は調達した資金をもとに、グローバルに展開をしていくとみられています。具体的には、2025年までに「ecbo cloak」を、世界500都市に展開することを目標としているそうです。
市場規模:シェアリングエコノミー、2032年に15兆円規模へ
ecbo株式会社が関わるシェアリングエコノミー市場は、近年急速に拡大しています。
シェアリングエコノミー協会によると、2022年度シェアリングエコノミーの市場規模がコロナ禍で過去最大規模となる2兆6158億円となり、2032年度には最大15兆1165億円に拡大することが分かりました。
ecbo株式会社が提供する「ecbo cloak」のように、観光客や国内旅行者の増加に伴い、荷物預かりサービスへのニーズは高まると予想されます。
会社概要
会社名:ecbo株式会社(エクボ株式会社)
代表取締役社長:工藤 慎一
設立日:2015年6月2日
所在地:東京都渋谷区代官山町20-23 Forestgate Daikanyama MAIN棟3F
ホームページ https://ecbo.io/
まとめ
本記事では、「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をつなぐシェアリングサービス「ecbo cloak」を提供するecbo株式会社について紹介しました。
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