株式会社coordimate(以下、コーディメイト)は、ファッション相談や試着体験をデジタル化(DX)するサービスを提供する企業です。主な事業は、ファッション相談アプリ「coordimate」を提供しています。
同社の事業は、NTTドコモグループの新規事業創出プログラム「docomo STARTUP」より生まれた事業です。
本記事では、同社の事業内容・創業の経緯だけでなく、「docomo STARTUP」についても、詳しく記載しています。
事業内容:ファッション相談アプリ「coordimate」の運営
コーディメイトは、ファッション相談や試着体験をデジタル化(DX)するサービスを提供する企業です。主な事業は、ファッション相談アプリ「coordimate」の運営と、商業施設やアパレル店舗向けの試着体験DXソリューション「coordimate for Enterprise」の提供です。
「coordimate」は、ユーザーが自分のコーディネート写真を投稿し、ファッションに興味のある一般の方々(「mate」)からリアルタイムでアドバイスを受けることができるアプリです。アドバイスは最短で30秒程度で届き、ユーザーはそのフィードバックをもとにアパレルショップの店員に相談することも可能です。また、商業施設やアパレル店舗向けには「coordimate for Enterprise」を提供しており、試着室に設置されたQRコードを読み取ることで、コーディネート写真を投稿しアドバイスを受けることができます。
また、5月には、「AI診断機能」が追加されました。
coordimateアプリの新機能「AI診断機能」は、ユーザーが投稿した全身コーディネート写真をAIが分析し、ファッションの清潔感や基本的なスタイリングの基準を満たしているかを評価するサービスです。
この機能は、以下の特徴を持っています。
- AIによる客観的な全身コーディネート診断
- 清潔感のある服装の基準を評価
- ファッションにおける減点ポイントの可視化
診断項目には、全体バランス、シルエット、配色などが含まれ、coordimateオリジナルの基準に基づいて評価されます。
この機能の開発背景には、ユーザーの「ダサいと思われたくない」というニーズがあります。また、人間のアドバイザー(mate)に直接相談するのに抵抗を感じるユーザーのために、まずAIで客観的な評価を受けられるようにしました。
この新機能は2024年5月30日から無料で利用可能となり、coordimateアプリ内で1日1回診断を受けられます。ただし、現在はメンズファッション専用となっています。
株式会社coordimateは、このAI診断機能とmateへの相談プロセスを通じて、ユーザーが自分に似合う服を選ぶ力を身につけ、安心して失敗できる場所を提供することを目指しています。
創業の経緯:やりたいことに挑戦できる世界を作りたい
コーディメイトは、創業者の飯野健太郎氏の個人的な経験と社会への問題意識から始まりました。
飯野氏は大学時代、名門サッカー部に所属していましたが、多くの優秀な選手たちがプロになれず、やむを得ず別の道を選ぶ姿を目にしました。「収入」や「年齢」を気にして本当にやりたいことを諦める人々を見て、「勿体ない」という思いを抱きました。
この経験から、飯野氏は「やりたいことがある人が『収入』を気にせずに、やりたいことに挑戦できる」世界を作りたいと考えるようになりました。
転機となったのは、佐藤航陽氏の著書「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」との出会いでした。この本で述べられている「価値主義」の考え方や、マーク・ザッカーバーグ氏のハーバード大学卒業式スピーチに触れ、飯野氏は自身の使命を見出しました。
「自分は新しい目的を生み出していくんだ、一人一人が『生きがい』を持てる、生きがいに何の躊躇もなく踏み出せる世界をつくるんだ」という強い思いが、コーディメイトの創業につながったといいます。
飯野氏は、この思いを実現するための具体的なアイデアをマクドナルドの一人席でノートに書き殴ったことが、コーディメイトの始まりとなりました。
その後、4年間にわたる試行錯誤の末、2022年7月5日に同社のアプリがローンチされました。この間、ビジネスモデルの大きなピボットを3回、小規模なものも含めると10回以上の事業検証を行いました。
同社は、「安心して失敗できることで、自信をもって決められる人が溢れる世界をつくる」という理念のもと、ファッション相談というアプローチを通じて、人々が自信を持って自己表現できる場を提供しています。
会社沿革
- 2024年1月29日:株式会社coordimate設立
- 2024年4月:「株式会社coordimate」事業開始
- 2024年5月:AI診断機能をリリース、株式会社Relicと連携協定を締結
コーディメイトは、2024年に設立されています。直近では、大きな動きは公表されていませんでした。
ただし、創業者の飯野健太郎氏のnoteでは、今後は生成AIへの対応と、マネタイズを行っていくと述べられています。
資金調達
コーディメイトは、株式会社RelicおよびNTTドコモからの出資を受けています。具体的な資金調達額は公開されていませんが、これらの出資により事業の拡大とサービスの提供が進められています。
「docomo STARTUP」プログラムとは
「docomo STARTUP」 は、NTTドコモグループが展開する新規事業創出プログラムです。このプログラムは、ドコモグループ社員のアイデアを活かし、共創パートナーと共に未来の新事業を生み出すことを目的としています。
事業進行のプロセスと新会社設立制度に特徴があります。
プロセス
プログラムは以下の3つのステップで進行します。
- COLLEGE:基礎知識を学び、アイデアを練る段階。
- CHALLENGE:実際にアイデアを試し、プロトタイプを作成する段階。
- GROWTH:ビジネスとして成長させる段階。
新会社設立制度
プログラムには、2種類の新会社設立制度があります。
- STARTUPコース:早期に外部から資金を調達し、新しい会社として独立。
- AFFILIATEコース:ドコモ内で成長し、最終的に子会社として独立。
まとめると、「docomo STARTUP」は、社員のアイデアや情熱を活かし、新規事業を通じて企業の競争力を強化し、社会にインパクトを与えることを目指すプログラムです。
会社概要
会社名:株式会社coordimate
代表取締役社長:飯野 健太郎
所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目10番8号渋谷道玄坂東急ビル2F−C
設立年月日:2024年1月29日
主な事業内容:ファッション相談アプリの運営、試着DXソリューションの提供