CLEAN JOULE(クリーン・ジュール)は、持続可能な航空燃料(SAF)の製造に特化した、アメリカを拠点とする企業です。
SAFは「Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)」の略称で、二酸化炭素排出量を大幅に削減できる航空燃料を指します。
本記事では、SAFの製造・開発を行い注目を集める、CLEAN JOULE(クリーン・ジュール)の事業内容などについて、詳しく紹介していきます。
事業内容:SAFの開発・製造
CLEAN JOULE(クリーン・ジュール)は、独自の技術を使用して持続可能な航空燃料(SAF)を製造しています。これらの製品は、生物由来の成分を基にして作られ、航空業界の二酸化炭素排出を減らす、またはゼロにすることができます。
持続可能な航空燃料(SAF)に関する説明は、以下の詳しく紹介しますが、SAFとは、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)の頭文字のことです。
航空分野において、従来のジェット燃料が原油から精製されるのに対して、廃食油、サトウキビなどのバイオマス燃料や、都市ごみ、廃プラスチックを用いて生産されます。廃棄物や再生エネルギーが原料のため、ジェット燃料と比較して約60~80%のCO2削減効果がある。
航空分野では、CO2削減に最も効果が高いとされており、今後はSAFの利用が必要不可欠だといわれています。
会社沿革:軍事用SAFからはじまり、民間まで
2009年:創業 様々なプロジェクトにおいて持続可能な解決策に焦点を当て、創業
2012年:米国政府とのパートナーシップ 米国政府と契約し、軍事用SAFを開発
2014年:米国政府からの投資 数百万ドルの投資を米国政府から受け、カーボンネガティブポリマーとSAFを開発
2020年:米国政府からの投資 SAFのデモンストレーションに関する契約を受賞
2023年:CleanJouleによる民間投資の発表 国際コンソーシアムからの5000万ドルの投資が、持続可能な航空燃料の生産を加速
資金調達:持続可能な航空燃料生産の加速に向け5千万ドル調達
CLEAN JOULEは、持続可能な航空燃料(SAF)の生産を加速するために、米国を拠点とするプライベート・エクイティ会社Indigo Partnersから5000万米ドルの投資を受けたと発表しました。
今回のラウンドで調達した資金は、同社の技術開発の進展に使用されます。具体的には、農業廃棄物やその他のバイオマス廃棄物から、より効率的に高性能SAFを製造する技術の開発に資金を活用します。これは、従来のジェット燃料よりも燃料効率が良く、温室効果ガスの排出量を削減する燃料の製造を目指しています。
SAFの高まる需要と残された課題とは
持続可能な航空燃料(SAF)は、原油由来ではない、食油や動植物油脂を原料とした持続可能な航空燃料です。CO2排出量は、従来の燃料と比較して8割から9割抑えられます。また、SAFは従来の石油由来の燃料と同程度の品質です。
さらに、旅客需要の回復による航空燃料消費の増加が見込まれています。2024年には旅客需要はコロナ以前のレベルに戻ると予想されています。従来の化石燃料を使い続けることはCO2排出量の増加を意味します。
ますますSAFの需要が高まる中で、SAFの普及には政府による支援政策が必要不可欠です。
実際に、ヨーロッパでは、2050年までに段階的にSAFの混合比率を70%まで上げることを義務化し、化石燃料への課税を強化する一方で、SAFの税率は据え置く政策が取られています。
日本では、GX実行会議で、GX分野への2024年度予算の概算要求案がまとめられ、総額2兆円規模の投資と国産SAF製造への支援が盛り込まれました。しかし、資源エネルギー庁は具体的な支援額までは決定していないと述べています。
今後SAFを普及させるには、明確な支援額の提示や支援法の確立が必要だと考えられます。
参照:持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会 (METI/経済産業省)
会社概要
会社名:CleanJoule
設立:2009年
代表:Mukund Karanjik
場所:アメリカ ユタ州 ソルト・レーク・シティ
従業員数:7名