最終更新日 24/11/22
国内スタートアップ

【Matchbox Technologies】企業や自治体のスポットワーク導入を支援する注目のスタートアップ

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(引用:Matchbox Technologies公式HP)

今回は、「株式会社Matchbox Technologies」(以下、Matchbox Technologies)を紹介します。

Matchbox Technologiesは、「matchbox」というシステムを提供するスタートアップ企業です。このシステムは、企業や自治体がスポットワーク環境を構築するためのサポートを行うもので、地域に眠る労働力を発掘し、日本が直面している労働力不足の解決を目指しています。

さらに、2024年11月にはシリーズAラウンドで9.5億円の資金調達に成功しました。大規模な調達を果たすなど、投資家から高い注目を集めるMatchbox Technologiesについて、事業内容などを紹介していきます。

事業内容:独自のスポットワーク環境を構築できる「matchbox」

(引用:matchbox(マッチボックス)公式HP)

Matchbox Technologiesは、自治体や企業が独自のスポットワーク環境を簡単に構築できるシステム「matchbox(マッチボックス)」を開発・提供しています。

この「matchbox」は、従業員やパートタイマー、アルバイト、さらにはスポットワーカーを含む、各企業独自の人材プールを構築できるプラットフォームです。企業は1日または数時間単位で求人募集を行うことができ、オンライン上で効率的に働き手を集めることができます。

matchboxのイメージ(引用:matchbox(マッチボックス)公式HP)

<matchboxの特徴と機能>

  • 企業専用の人材データベース構築
    • アプリケーション内で、働きたい人をデータベースに登録し、企業独自の人材プールを形成できます。
  • 直感的なシフト管理機能
    • スケジュール管理アプリのように、視覚的でわかりやすい操作が可能。1日や数時間単位で業務シフトを簡単に作成・管理できます。
  • シフトの共有と働き手の応募
    • 登録したシフト情報は、条件を設定して特定の人材にのみ共有することができます。働き手はアプリからシフト情報を確認し、自分が働けるシフトを選んで簡単に応募することが可能です。
  • 労務管理の効率化
    • 給与計算や支払い、採用に関する事務作業を自動化することで、企業や自治体の労務管理負担を大幅に軽減します。
  • 継続的な求人システム
    • データベースに登録した働き手と企業は、相互に信頼関係を築くことで、継続的に求人情報を共有できます。これにより、スポットワークの柔軟な就労条件と企業との長期的なつながりを両立することが可能です。

「matchbox」を利用すれば、企業・自治体は簡単かつ迅速にスポットワーク求人を作成・公開でき、必要なときに必要な人材を確保できます。さらに、採用業務や労務管理の手間を削減してくれるため、運営コストを削減することが可能です。

また、働き手からすれば、自分の都合に合わせた柔軟な働き方が可能なうえ、データベースを通じて企業との信頼関係を構築することで、安定した仕事の継続受注が期待できます。

このように、「matchbox」はスポットワークに新たな価値を提案するシステムです。企業や自治体、働き手の双方にとって効率的かつ柔軟な働き方を実現し、より良い労働環境を提供することを目指しています。

資金調達:2024年11月にシリーズAで9.5億円を調達

(引用:PR Times)

2024年11月15日、Matchbox TechnologiesはシリーズAラウンドで総額9.5億円の資金調達を実施したと発表しました。なお、本資金調達には、エクイティファイナンスとデットファイナンスの両方が含まれています。

エクイティファイナンスでは、日本有数のVCであるジャフコ グループ株式会社や、第四北越キャピタルパートナーズ、大光キャピタル&コンサルティング、NSGホールディングスが出資に参加しました。一方、デットファイナンスには日本政策金融公庫、第四北越銀行、大光銀行が協力しています。

なお、今回調達した資金は、同社の主力サービス「matchbox」の事業拡大に充てられる予定です。

資金調達の背景と目的:地域創生の活性化

(引用:PR Times)

Matchbox Technologiesは、地方創生を推進し、地域の人材と企業を結びつけることで柔軟な働き方を実現するために、今回の資金調達を実施しました。

同社の主力サービス「matchbox」は、この2年間で利用者数が4.7倍、導入事業所数が3.6倍と大幅に拡大しており、地方創生への効果が実証されています。そこで、今回の成功をもとに、さらなる事業拡大と新潟をはじめとする地域全体での雇用創出を目指すことが、資金調達の主な目的です。

特に2022年以降、新潟県南魚沼郡湯沢町や新潟市と連携した自治体公式の就労マッチングサービスは、地方創生のモデルケースとして高く評価されています。Matchbox Technologiesはこれを契機に、地域経済の活性化を一層加速させる計画です。

市場トレンド:スポットワーク仲介サービスは拡大を続ける見込み

(引用:矢野経済研究所)

矢野経済研究所が発表した調査結果によれば、2022年度の国内スポットワーク仲介サービス市場(単発バイト求人情報サービス市場、短期バイト人材紹介サービス市場、人材マッチングサービス市場の3市場を含む)の規模は648億円に達しました。この規模は2021年度と比較して約30%増加しており、顕著な成長を示しています。

さらに、2023年度の市場規模は前年度比27.2%増の824億円に達する見込みです。新型コロナウイルスの影響が収まりつつある2023年以降も、この市場は拡大を続けると予測されています。

スポットワーク仲介サービス市場が拡大する要因

2024年以降も、いわゆる「スキマバイト」と呼ばれる短期間・単発の仕事を仲介する市場が引き続き成長すると考えられており、その背景には以下の4つの要因があります。

1. 労働人口の減少

日本では少子高齢化が進行しており、労働人口の減少が深刻な課題となっています。このため、多くの業界で人手不足が問題視されており、スポットワーク(単発バイト)は不足する人員を柔軟に補う手段として注目を集めています。特に、今後も労働人口の減少が続くと予想される中で、企業や雇用者にとってスキマバイトの重要性はますます高まると考えられます。

2. 多様な働き方へのニーズの高まり

現代の社会では、ライフスタイルや価値観の多様化により、働き方にも幅広い選択肢が求められるようになっています。自分の都合や生活スタイルに合わせて働けるスポットワークは、こうした多様化したニーズに応える働き方として注目されており、今後ますます需要が高まると予想されます。

3. 物価上昇による影響

近年、物価の上昇により、多くの人々が生活費の増加に直面しています。本業の収入だけでは生活費を賄いきれないと感じる人が増えていることから、家計を補うためや収入を向上させるために、スキマバイトを選ぶ人が増加しています。このような経済的な背景が、スポットワーク市場の拡大を後押ししているのです。

4. デジタル化の進展

IT技術の発展に伴い、自宅から手軽に取り組める仕事が増えています。スポットワーク市場においても、現場で働く仕事に加え、リモートでできる案件の需要が拡大している状況です。デジタル化の進展は、スポットワークの選択肢をさらに広げ、市場の成長に寄与しています。

企業概要

  • 企業名:株式会社Matchbox Technologies (マッチボックス テクノロジーズ)
  • 代表者:代表取締役 佐藤 洋彰
  • 設立:2015年7月1日
  • 所在地: 〒950-0945 新潟市中央区女池上山3-14-10
  • 公式HP:https://www.matchboxtech.co.jp/

まとめ

本記事では、企業や自治体がスポットワーク環境を構築するためのサポートを行う、株式会社Matchbox Technologies について紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社Matchbox Technologies のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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