最終更新日 24/11/05
海外スタートアップ

【BANF】タイヤをリアルタイムでモニタリングする韓国発のスタートアップを解説!

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BANF: Press Releases

現在、急速に技術が進化する中でも、物流業界には依然として多くの課題が残っています。その代表例が「2024年問題」です。これは、トラックドライバーの労働時間短縮により輸送能力が不足し、物資の運搬が困難になるという問題を指します。それだけでなく、トラックの排気ガス等の環境問題も現存しています。

これらの問題解決に取り組むため、韓国のスタートアップBANFは「タイヤ」に注目しました。BANFは、タイヤの状態をリアルタイムでモニタリングする装置を提供し、これによりタイヤの効率的な管理を実現。燃費効率の向上やトラックの安全性の強化に貢献しています。

本記事では、BANFの事業内容や資金調達、将来展望等について詳しく紹介します。

事業内容:タイヤのリアルタイムモニタリング

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(出典:https://www.nextunicorn.kr/ir-deck/8f6e93f0a1e5f762

韓国のスタートアップBANFは「タイヤのリアルタイムモニタリング」に注目しました。同社のモニタリング装置は、タイヤの効率的な管理を可能にし、燃費効率やトラックの安全性向上に貢献。主に以下の2つの事業を中心に行っています。

1. 自動車メーカー向けタイヤセンサーシステム

(出典:https://banf.ai/en/solutions/fleets

BANFは、自動車メーカー向けに安全性と燃費効率を強化するタイヤセンサーシステムを提供しています。このシステムは、タイヤの空気圧、温度、摩耗状態、ホイールアライメント、ラグナットの緩み、さらには荷重や路面状況までをリアルタイムで監視。顧客は、早期の故障検知による事故予防や燃費向上(最大20%)、タイヤ摩耗の削減(15%削減)が期待できます。

2. 道路管理者向け路面状況確認技術

(出典:https://banf.ai/en/solutions/road

BANFはまた、ITS(高度道路交通システム)および道路管理向けに路面の状況確認技術を提供道路メンテナスを目的とした車両のタイヤが、路面と直接接触することで、路面状況や異常の即時検知と分析が可能。これにより、路面異常の早期発見や道路保全の効率化が期待できます。

料金と導入実績

BANFのシステムは、1台あたり月額50ドルで提供されています。燃費改善やタイヤ摩耗の抑制により、1台あたり年間最大4500ドルのコスト削減が見込まれます。現在、Volvo Group、Hyundai Motor Group、DHLと提携しており、123台の車両で同システムが稼働中。アメリカのタイヤメーカーとのパートナーシップも進行しており、2026年までの商業化を目指しています。

資金調達と将来展望

BANFの直近の資金調達についてまとめています。

同社は、2022年に500万ドルのプレシリーズA資金を調達。 さらに1200万ドルのシリーズA資金調達を目前に控えてるそう。そして、2027年には韓国の証券取引所への上場を目指しており、米国ナスダック市場での上場も視野に入れています。(出典はこちら

主な出資元

  • KB Investment
  • Mirae Asset Capital
  • Mirae Asset Venture Investment
  • Kibo Technology Fund
  • Timefolio Asset Management

目的

北米市場への進出に注力。自動車メーカーやフリート企業との提携の強化。

創業の経緯:起業サークルで偶然見出したタイヤの可能性

(出典:https://banf.careers.team/

BANFの創業者ユ・ソンハン氏は、ソウル大学で電気コンピュータ工学を学び、在学中に起業サークルで活動するなど、常に起業に強い関心を持っていました。2016年、偶然目にしたタイヤ企業の財務諸表で、業界の利益率が一般の大企業を上回る15%であることに驚き、収益性とイノベーションの可能性に着目。

特に注目したのは自動運転トラックのタイヤでした。24時間稼働が前提の自動運転車はタイヤの摩耗が早く、交換頻度が上がることで、事故リスクも高まります。この課題に対し、ユ氏はタイヤ内部にセンサーを設置し、摩耗や破損の兆候をリアルタイムで検知する「タイヤ監視システム」を開発。これにより、トラックの燃費効率や安全性向上を目指したのがきっかけだそう。

参照:https://www.korit.jp/news_letsstartup_banf

会社概要

  • 企業名:BANF
  • 代表者:Jae Hyung Lee(CEO)
  • 設立:2019年
  • 所在地:韓国 ソウル
  • 公式HPhttps://banf.ai/

まとめ

本記事では、タイヤセンサーシステムを開発するBANF社について紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目の海外スタートアップを多数紹介しています。

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