最終更新日 24/10/10
国内スタートアップ

【mov】口コミを活用して店舗運営をサポート!通信キャリア4社の出資を受ける注目スタートアップ

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引用:mov公式HP

IT技術の進歩により、「DX化で現場業務を効率化しよう」「顧客の声をマーケティングに活かそう」といったデジタル活用が主流となっています。

しかし、日々の業務に忙殺され、実際にこれらを実行するのは難しいと感じる事業者も多いでしょう。また、「やらなければいけない」と理解していても、手をつけられない現状にある企業も少なくありません。

こうした課題を抱える事業者を支援するために、「日本のポテンシャルを最大化する」というミッションを掲げて事業を展開しているのが「株式会社mov」(以下、mov)です。

movは、顧客の声を可視化・分析するツールや、マーケティングのノウハウを提供するなど、店舗の集客や改善をサポートしています。さらに、インバウンド市場での売上拡大を目指す企業に対して、ソリューションや情報を提供するインバウンド支援事業も展開中です。

「すごいベンチャー100」2022年最新版に選ばれたり、通信キャリア4社から日本初の同時資金調達を実現したりと、注目を集めるmovについて紹介していきます。

事業内容:店舗支援・インバウンドを軸に複数事業を展開

movでは「店舗支援事業」「インバウンド支援事業」の2つの事業を展開(引用:mov公式HP)

movは「店舗支援事業」「インバウンド対策支援事業」の2つを展開しています。

具体的には、店舗支援事業では店舗向け集客一元化プラットフォーム「口コミコム」を運営。インバウンド支援事業では、業界最大級のインバウンドビジネスメディア「訪日ラボ」を運営し、インバウンド専門のコンサルティングサービスも提供しています。

movの最大の特徴は、顧客からの口コミを有効活用できる「口コミコム」です。「口コミコム」は国内外の19サイトと連携しており、顧客からの口コミをもとに、多面的な店舗情報管理やMEO(*1)対策ができます。さらに、Googleの「AI スタートアップ プログラム」に採択され、AIを活用した分析や業務効率化にも強みを持っています。

また、movはインバウンド対策にも力を入れており、海外媒体を含む多言語での店舗情報管理・口コミ分析にも対応することが可能です。そのため、インバウンド市場が急回復するなか、大きな反響をいただいているそう。

実際に、「口コミコム」は飲食店や小売店だけでなく、自治体とも連携するなど、さまざまな業種・業界に導入されています。加えて、解約率(チャーンレート)も0.1%を下回っており、ARR(年間経常収益)を見るとT2D3(*2)ペースで成長し続けているとのことです。

  • (*1)MEO「Map Engine Optimization(マップエンジン最適化)」の略。地図アプリ(特にGoogleマップ)の検索結果で上位表示されるよう、さまざまな最適化施策を行うことを指す。
  • (*2)T2D3:ARRを3倍,3倍,2倍,2倍,2倍と成長させるモデル。SaaS企業の成長スピードを測る指標として用いられる。

movの主事業①「口コミコム」:国内外19個の口コミサイトを一括管理

movが提供する「口コミコム」はGoogleマップなど国内外の19サイトと連携している(引用:口コミコム公式HP)

movが提供する「口コミコム」は、国内外の口コミサイトを売上に変えられる「口コミサイト一括管理ツール」です。

Googleマップなど国内外の19サイトと連携しており、地図アプリやグルメサイト、口コミサイト上の店舗情報を一括で整理・更新できるので、店舗情報の更新・修正にかかる工数を削減できます。さらに、クーポンの配布やセールの告知といった集客施策も一括配信することが可能です。

また、顧客から受け取った口コミの分析や返信をAIがサポートしてくれるため、口コミの情報を活かした店舗改善や、Googleマップ・口コミサイトからの集客数増加を実現できます。

加えて、インバウンド向けに有効なサイトとも連携。多言語で店舗情報を整備したり、口コミを言語別に分析したりと、訪日外国人に向けた集客施策が可能です。

こうした機能性の高さが評価され、飲食店や商業施設、小売店に加えて、自治体でも導入されており、「口コミコム」は業種業界に関わらず広く利用されています。

movの主事業②「訪日ラボ」:国内事業者向けにインバウンドの情報を提供

movが展開する「訪日ラボ」は、業界最大級のインバウンドビジネスメディア(引用:訪日ラボ公式HP)

movが展開する「訪日ラボ」は、業界最大級のインバウンドビジネスメディアです。国内事業者向けに、インバウンドに関するデータや事例、ニュース・ノウハウに至るまで、さまざまな情報を配信しています。

また、インバウンド専門のコンサルティングサービスも用意。デジタルマーケティングを駆使した集客施策など、大手企業・自治体に対して支援を行った多数の実績があり、観光庁より「インバウンドベンチャー」に選定されています。

資金調達:通信キャリア・IT系CVC4社から同時出資

movは日本の通信キャリア・IT系CVC4社から出資を受けた日本初のスタートアップに(引用:mov公式HP)

2024年10月2日、movはソフトバンクグループであるLINEヤフーが運営するCVC「Z Venture Capital」を引受先とした第三者割当増資により、シリーズB資金調達のセカンドクローズを完了しました。なお、詳細な調達金額は明らかにされていません。

これにより、シリーズBのファーストクローズを含めて、movは日本で初めて通信キャリア・IT系CVC4社(NTTドコモ・KDDI・楽天グループ・ソフトバンクグループ)から出資を受けたスタートアップとなりました。

movは「口コミコム」などを通じて、店舗事業者に対して集客・店舗改善を支援。既存株主である通信キャリア・IT系3社とも、各社が持つ媒体との多面的な事業提携を推進しています。そこでmovの事業展開と、LINEヤフーグループの事業アセット・戦略投資領域とのシナジーが期待され、今回の資金調達が実現されました。

movのCEO渡邊氏は、国内280万店舗と言われる店舗事業者に対して、より広く集客支援ができる基盤を実現できたとし、今後も多くの店舗事業者様に向けた独自性の高いサービス展開・事業成長を目指していくと述べています。

シリーズBファーストクローズにて15億円を資金調達

movはシリーズBファーストクローズにて15億円を資金調達(引用:mov公式HP)

movは2024年5月21日に、Coral Capitalをリード投資家とする全既存株主を引受先として、総額約15億円のシリーズB資金調達についてファーストクローズしたことを発表しました。なお、本資金調達により、同社の累計調達額は35億円を突破したそうです。

<資金調達の概要>

  • 調達金額:約15億円
    • 累計調達金額:約35億円
  • 調達方法:全既存株主を引受先とした第三者割当増資
  • 引受先一覧:
    • Coral Capital(リード)
    • SMBCベンチャーキャピタル
    • 千葉道場ファンド
    • KDDI Open Innovation Fund
    • NTTドコモ・ベンチャーズ
    • 楽天キャピタル
    • i-nest capital
  • 資金使途:既存事業のさらなる伸長を見据えた組織基盤の強化
    • AI機能含むプロダクト改善のための開発体制強化
    • セールス・マーケティング領域の強化など

企業概要

  • 企業名:株式会社mov(mov inc.)
  • 代表者:代表取締役 渡邊 誠
  • 設立:2015年9月
  • 所在地: 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-17-4 山口ビル 4F
  • 公式HP:https://mov.am/

まとめ

本記事では、「店舗支援事業」と「インバウンド対策支援事業」の2つを展開する株式会社movについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社movのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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