最終更新日 24/08/22
国内スタートアップ注目企業

【WithGreen】サラダボウルを日本の食文化に

サステナブル食品
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引用:https://www.wantedly.com/projects/1667502

厚生労働省によると、2023年の平均寿命は「男性81.09年・女性87.14年」を記録し、40年前(1983年)と比較すると「男性6.89年・女性7.36年」だけ延びています。人生100年時代と言われるように、これからも人々の寿命はどんどんと伸びていくでしょう。

長い人生を楽しく生きるためには、「どれだけ健康でいられるか」が非常に重要です。しかし、日本人は野菜や果物を1日あたり270gしか食べず、奨励されている量に20%以上も足りません。

そこで「日本人の健康的なライフスタイルを支えよう」と、おいしいサラダボウルを提供しているのがWithGreen(ウィズグリーン)です。「with your life」というスローガンのもと、サラダボウルという新しい食文化を日本に広める同社について紹介します。

事業内容:サラダボウル専門店の運営&法人向け販売

引用:https://www.ryutsuu.biz/store/p082575.html

WithGreenはサラダボウル専門店を運営しており、イートイン・テイクアウトの2つの形態で、一般の方にサラダボウルを販売しています。東京を中心に、大阪や兵庫など、日本各地に店を構えており、現在30店舗を運営中です。サラダとは異なる、主食としてのサラダボウルのおいしさに魅了された消費者も多く、「WithGreenの利用者の約7割以上はリピーターだ」と創業者の武文氏は語っています。

また同社は、法人向けにオフィスへサラダボウルを届けるサービスも提供しています。サラダボウルがまとめて毎朝10-11時くらいに届き、社員は割安でサラダボウルを購入することが可能です。社員食堂がないけどカフェテリアがある企業や、健康意識の高い従業員の満足度を上げたい企業が、福利厚生として導入しています。

生産者への想いからサラダボウルには国産野菜だけを使用

引用:https://withgreen.club/speciality/

WithGreenは「生産者を大事にしたい」「お客さんと1つに繋ぎたい」という考えから、新鮮な国産野菜だけを使うことを徹底しています。

そのためアボカドなど、サラダによく入っている野菜であっても、日本の気候では生産に向かない野菜は、同社のメニューに含まれていません。

このようにWithGreenは、非常に強いこだわりを持ってサラダボウルを作っています。

WithGreenの6つのこだわり

  1. 四季折々のおいしい国産野菜だけを使用
  2. 全てのサラダに栄養満点でおいしいグリーンカール(レタスの一種)を使用
  3. 開発に3年以上かけた名脇役の肉・玄米を使用
  4. 味・食感が引き立つよう食材ごとにカットサイズを変更
  5. こだわりのとろみドレッシングで野菜のおいしさを強調
  6. 主食として食べられるように味・栄養を極限まで追求

フードロス削減などサステナビリティにも配慮

引用:https://withgreen.club/sustainability/

WithGreenは、SDGsを参考に「ウィズグリーン・サステナブルプラン」を考案し、「食」の課題解決に努めています。具体的には5年後の2026年を目標に、「お客様・生産者・環境」の3つに向けて、以下の取り組みを行なっています。

<お客さまへの貢献>

  • 年間100万食のサラダボウルを提供:人々の健康をサポートすべくサービスを拡大する
  • 体調に合わせてサラダボウルを提案:いろんなニーズに対応したメニューを開発する
  • 子供向けに試食会・野菜教室を開催:若い世代・子供の野菜摂取量を増やす

<生産者への貢献>

  • 国産野菜を継続的に使用:国内の生産者を大切にする
  • 生産地応援メニューを作成:日本各地で農業を活性化させる
  • 農業体験や農場訪問を実施:生産者の想いを伺い消費者に伝える

<環境への貢献>

  • 農場では出荷できない規格外野菜を使用:フードロスを削減する
  • レジ袋や容器を再生紙に変更:プラスチックの排出量を70%以上減らす
  • 国内野菜を使用してフードマイレージを削減:温室効果ガスの排出を減らす

起業のきっかけ:ウォール街の証券会社にてサラダボウルと邂逅

引用:https://note.com/withgreen/n/n4c8174abe5f3

創業者である武文 智洋氏は新卒でリーマン・ブラザーズに入社するも、経営破綻により最終的に野村證券へ就職しました。そして、「30歳で金融業界を卒業する」と決め、経験のためニューヨーク支社で働く中で、「サラダボウル」に遭遇します。主食として食べるサラダに感動し、日本に帰国するまで週2-3回食べるのが当たり前になったそうです。

その後同社を退職し、「2年後に何か始める」と期限だけ決めて、無職生活をスタート。「登りたい山を決める。これで人生の半分が決まる。」という孫正義の言葉を胸に、「一生かけてやりたい仕事は何なのか?」を真剣に考える中で、「食」に辿り着きます。

その後、武文氏は食をテーマに、200日かけて海外30ヵ国を旅しました。その中で「日本は食材のレベルが高いのに、人を感じられる食体験が抜け落ちている」と気づき、「生産者と消費者をつなぐ」企業を立ち上げることを決心するのです。

そして、大学在学中に飲食店経営をして食品メーカーに勤めていた弟に声をかけ、2016年にWithGreenを起業しました。

資金調達:2020年に総額2.3億円を獲得

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000018848.html

WithGreenは、2020年3月に農林中央金庫などのステークホルダーから、第三者割当増資にて、総額2億3000万円の資金調達を実施しました。

資金調達の目的は、「サラダ需要の高いビジネスエリアを中心にした店舗展開」「生産者との連携を活かした商品開発」とのこと。

なお増資の引受先は、農林中央金庫、株式会社農林漁業成長産業化支援機構、株式会社中島董商店、株式会社ファームシップです。

2022年度のパッケージサラダの市場規模は約1969億円

引用:https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/wadai/2309_wadai1.html

独立行政法人 農畜産業振興機構によると、2022年度のパッケージサラダの市場規模は約1969億円に上ります。なおパッケージサラダとは、野菜などを食べやすくカットした、そのまま食べられるサラダのことです。

この10年間で市場規模は2倍以上に成長したそうで、同社は今後もこの拡大傾向が続くと予想しています。女性の社会進出に伴い時短フードのニーズが高まったことや、単身世帯の増加により個食化が進んだことなどを背景に、手軽に新鮮な野菜が摂れる商品が拡大してきたとのこと。

また新型コロナウイルス感染症の影響もあり、生活習慣の見直しが進み、健康生活の基本的な行動の1つとして、野菜摂取への意識も高まったのではと考えられています。

WithGreenもサラダボウルという手軽に食べられる健康食品を販売しているため、今後の成長に期待です。

会社概要

会社名:株式会社WithGreen

代表取締役:武文 智洋

設立年:2016年

所在地:104-0061 東京都中央区銀座3-11-3

公式HP:https://withgreen.club/

まとめ

本記事では、日本の国産野菜だけを用いたサラダボウルを販売するWithGreenについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

WithGreenのように、国内外の面白い企業についてまとめているため、関連記事もご覧ください。

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