現代のデジタル社会では、企業にとってセキュリティ対策がますます重要になっています。特にサイバー攻撃が高度化し、企業データの保護が求められる中、先進的なセキュリティソリューションを提供する企業が注目されています。
紹介する企業は以下の4社です。
上記企業の注目度は高く、Wiz社に至ってはグーグルの親会社アルファベットが、総額230億ドル(約3兆6300億円)で買収を検討した、というニュースもありました。
今回は、業界をリードする海外スタートアップ4社について簡単に解説しています。これらの企業がどのようにしてサイバー脅威に対抗し、企業の安全を守っているのかを探ってみましょう。
Wiz:クラウドセキュリティに特化
Wiz社はクラウドセキュリティに特化したサイバーセキュリティ企業で、企業のクラウド環境を安全に保つことをミッションとしています。AWSやMicrosoft Azureなどの主要クラウドプロバイダーと連携し、クラウド内のデータをスキャンしてセキュリティリスクを検出・対応します。
創業者はイスラエル軍情報部隊出身で、2020年に同社を設立。わずか2年半で売上1億ドルを突破し、急速な成長を遂げています。資金調達については、設立以来複数回行われ、合計19億ドルに達しました。
Wiz社はグーグルの親会社アルファベットが、総額230億ドル(約3兆6300億円)で買収を検討した、というニュースもありました。
設立 | 分野 | 合計資金調達額 | 売上 |
2020年 | クラウドセキュリティ | 19億ドル | 1億ドル以上 |
同社について、詳細な情報が知りたい方は以下の個別記事をご覧ください。
Lacework:クラウドセキュリティサービスの提供
Lacework社は、クラウド環境のセキュリティとコンプライアンスソリューションを提供する企業です。
同社は企業のクラウド環境を継続的に監視し、セキュリティリスクを自動的に検出するサービスを提供しています。AWS、Azure、Google Cloudなど主要なクラウドプラットフォームに対応しており、機械学習を活用して正常な状態を学習し、異常を検出するPolygraphデータプラットフォームが特徴です。
2015年にSanjay Kalra氏とVikram Kapoor氏により設立され、約20億ドルの資金調達に成功しています。
Lacework社は企業がクラウドの利点を最大限に活かしつつ、高度なセキュリティを維持できるよう支援し、セキュリティとイノベーションの両立を目指しています。
設立 | 分野 | 合計資金調達額 | 売上 |
2015年 | クラウドセキュリティ | 20億ドル | 不明 |
同社について、詳細な情報が知りたい方は以下の個別記事をご覧ください。
Vanta:企業のセキュリティとコンプライアンスを自動
Vantaは、企業がSOC 2、ISO 27001、HIPAA、GDPRなどの重要なセキュリティ基準を迅速かつ低コストで満たすための自動化プラットフォームを提供しています。主なサービスには、迅速なコンプライアンス達成を支援する「Vantaプラットフォーム」、顧客にセキュリティの透明性を示す「Vanta Trust Reports」、リスク評価プロセスを自動化する「Vanta for Risk Management」、適切なシステムアクセスを確保する「アクセスレビュー」が含まれます。
2016年にChristina CacioppoとErik Goldmanによって設立され、Y Combinatorの支援を受けた後、セコイア・キャピタルとCraft Venturesから大規模な資金調達を成功させ、ユニコーン企業となりました。
今後、Vantaは医療、金融、小売、公共セクターなどの既存市場に加え、新興市場への展開を計画しており、データの透明性とリアルタイムの可視性を提供する製品開発にも注力しています。
設立 | 分野 | 合計資金調達額 | 売上 |
2016年 | セキュリティ | 1億ドル以上 | 不明 |
同社について、詳細な情報が知りたい方は以下の個別記事をご覧ください。
Abnormal Security:メールのサイバー攻撃に対応
Abnormal Securityは、企業のメールセキュリティを強化するためのソリューションを提供するサイバーセキュリティ企業です。AIと機械学習を駆使したプラットフォームで、フィッシングやビジネスメール詐欺(BEC)などの攻撃を自動的に検出・防止します。主なサービスには、リアルタイムのメールセキュリティ、脅威インテリジェンス、インシデントレスポンスが含まれます。
2018年にEvan ReiserとSanjay Jeyakumarによって設立され、メール攻撃による財務損失を防ぐための技術を開発しました。設立以来、Abnormal Securityは複数の資金調達に成功し、総額2億8400万ドルを調達。特に2022年のシリーズCでは2億1000万ドルを調達し、Insight Partnersなどの主要投資家が参加しました。
2023年には年間収益が1億ドルを突破し、Forbes Cloud 100の80位にランクイン、Forbes AI 50にも選出されるなど、急成長を遂げています。
設立 | 分野 | 合計資金調達額 | 売上 |
2018年 | メールセキュリティ | 2億ドル | 1億ドル以上 |
同社について、詳細な情報が知りたい方は以下の個別記事をご覧ください。
各社会社概要
会社名:Wiz
設立:2020年1月
創業者:Assaf Rappaport (CEO)、Amy Luttwak (CTO)、Roy Reznik (VP of R&D)、and Yinon Costica (VP of Product)
拠点:New York City、US
会社名:Lacework
設立:2015年1月
創業者:Sanjay Kalra、Vikram Kapoor
拠点:アメリカ合衆国、カリフォルニア州
会社名:Vanta
創業者:Christina Cacioppo、Erik Goldman
設立:2016年
拠点:アメリカ合衆国、カリフォルニア州、サンフランシスコ
会社名:Abnormal Security
設立:2018年
創業者:Evan Reiser(CEO)、Sanjay Jeyakumar(CTO)
拠点:アメリカ合衆国、カリフォルニア州、サンフランシスコ
URL:https://abnormalsecurity.com/