今回紹介するのは、サッポロビールの新規事業「HOPPIN’ GARAGE」です!
HOPPIN’ GARAGEは、社外の魅力的な人々の人生ストーリーとサッポロビールの醸造技術を掛け合わせる新製法「ストーリーブルーイング」で、ビールを製造しています。
ストーリーブルーイングによって、これまでにない多様性あふれるビールが生まれ、ストーリーを感じながらビールを飲むという体験ができます。
今回は、そんなHOPPIN’ GARAGEの取り組みや、沿革、サッポロビールの新規事業開発についても紹介していきます。
事業内容:一人ひとりの人生ストーリーから生まれたビール
HOPPIN’ GARAGEでは、一人ひとりの人生ストーリーから生まれたビールを販売しています。
通年販売のビールから、2ヵ月に1回の限定販売ビール、定期便のビールなどさまざまな商品を展開中です。
HOPPIN’ GARAGEでは、マスコットキャラクターであるホッピンおじさんが、旅先で出逢った魅力的な人々のストーリーをもとにさまざまなビールを生み出すというものをコンセプトにしています。
次に、提供中のサービスを紹介していきます。
提供サービス
主に3種類の商品を提供しています。
①通年販売の「ホッピンおじさんのビール」
②限定販売の「人生ストーリーから生まれたビール」
③2か月に1回お届けの「人生ストーリーから生まれたビール」の定期便
のサービス展開です。
今回は特に、HOPPIN’ GARAGEのコンセプトが表れている、②「人生ストーリーから生まれたビール」ができる工程について説明していきます。
人生ストーリーからビールが生まれる工程
初めに、ビールのストーリーとなる、魅力的な人生ストーリーを持っている主人公を発掘します。
次に、人生ストーリーの主人公と、ビールのつくり手・デザイナーが直接やりとりを行い、共同でビールを開発します。
ビールが完成すると、HOPPIN’ GARAGEのECストアや定期便として人々のもとへ届きます。
次の章では、「人生ストーリーから生まれたビール」をピックアップして紹介していきます。
クラフトビール紹介①
ここで紹介するのは、コピーライター石井つよシさんが主人公の、ハードでヘビーな大人の人生に寄り添うビール「それが人生」。
思い通りにならないことがあったとき、「それが人生」という言葉と一緒に、苦さを噛み締めながらビールを飲む。そんなハードでヘビーな大人の人生に寄り添ったビールをつくりたいと思った石井さんは、これまでどんな人生を歩んできたのでしょうか?
「濃い、渋い、暑くるしい」というキーワードでつくっていただいたビールです。熱を多めに加えるという昔ながらの製法でつくっていて、苦味は強め、粗削りだけどそれがいいよねって感じの味わいになっています。
https://www.hoppin-garage.com/product/soregajinsei/
クラフトビール紹介②
次に紹介するのは、アーティストかつ実業家である、遠山正道さんが主人公の「遠山正道セット」。
遠山正道セットには、「ニューオールドマン」「真夜中のPOP Black IPA」のほかに、「山羊とピクニック」の3種類のビールが含まれています。
アートをこよなく愛し、直接的な表現よりも「受け手」に委ねることを大切にする遠山さん。そんな遠山さんをテーマにした今回のホッピンフレンズプロジェクトからは、どのようなビールが誕生したのでしょうか。
https://www.hoppin-garage.com/story/hoppin-friends_conversation_3/
「人生ストーリーから生まれたビール」をピックアップして紹介してきましたが、気になるストーリーはありましたでしょうか?
このようにHOPPIN’ GARAGEは、一人ひとりを主人公にしたビールの販売を行っています。
沿革:「新しいビールの楽しみ方」を拡大中
2018年10月から、プロジェクトが立ち上げられました。立ち上げから1年は、お客様とのコミュニケーションや試験品の試飲イベントのみを行っていましたが、翌年からはお客様との共創による商品を連続的に発売します。
商品の売れ行きから、2021年4月には本格的に事業化します。2022年には、11種類の商品を発売し、売り上げは2021年の約2.5倍の約1.8億円に増加しました。
人気の高まりとともに、2023年にはホッピンフェスを開催します。ホッピンフェスは、サッポロビール初のクラフトビール合同イベントで、ビールの飲み比べをすることが可能なフェスです。
2024年には、ビール品評価会である「ジャパン・グレートビア・アワーズ2024」でHOPPIN’ GARAGEのビール2種類「HOPPIN’GARAGE ホッピンIPA」と「HOPPINʼ GARAGE ホッピンラガー」が銀賞を受賞しました。
将来展望:ビールとつくり手の価値向上を目指す
HOPPIN’GARAGE は、「ビールとつくり手の価値向上」を目標に、2023年からは「ホッピンフレンズプロジェクト」を始動しました。
ホッピングフレンズプロジェクトは、これまでの「ストーリーブルーイング」に、フレンズブルワリーが加わったものです。
ホッピンフレンズブルワリーは、複数の友好クラフトブルワリーのことで、それぞれ独自でビールの開発・製造を行います。
それぞれのつくり手(フレンズブルワリー)が感じたインスピレーションを元に、ビールを作成するため、1つのストーリーで複数の味わいを楽しむことができます。
個性豊かなつくり手たちが、ストーリーをどう捉え、どのように表現したかを楽しめるところが特徴です。
このような、ビールとそのつくり手を巻き込んだマーケティングで、サッポロビールはビールとつくり手の価値向上を目指しています。
サッポロホールディングスの新規事業開発
サッポロホールディングスは、2023年1月から、グループ全体のDXを視野に入れた新規事業開発プロジェクトを推進しています。
日経クロストレンドのインタビューによると、サッポロホールディングスは、5カ月間の取り組みの中で、約80個の事業テーマを創出し、16個のプロトタイプを作成したそうです。
23年度に生み出された事業テーマの事業性評価を実施し、24年度以降の事業化を目指しています。
今回は、サッポロビールの「HOPPIN’GARAGE 」について紹介してきましたが、New Venture Voiceでは、サントリーやアサヒビール、キリンなどの社内ベンチャーや、社内起業についての記事を掲載しています。関連記事からご覧ください。