最終更新日 26/01/31
国内スタートアップ

【株式会社CaTe】自宅で心臓リハビリを可能にするデジタル治療アプリ

アプリ開発ヘルスケア
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(引用:PRTIMES

心疾患は国内でがんに次ぐ死因第2位となっており、退院後1年以内に約3割の患者が再入院を繰り返す深刻な疾患です。しかし、日本で心臓リハビリテーションを受けられる患者はわずか7%に留まっており、多くの心不全患者が十分なリハビリを受けられずに再入院や医療費負担の増大といった課題を抱えています。
このような状況を打開すべく、株式会社CaTeはデジタル技術を活用した治療用アプリで自宅にいながら心臓リハビリを提供するソリューションに挑戦しています。代表の寺嶋一裕氏は現役の循環器専門医であり、その医療知見を基に「運動療法」と「行動変容」をテーマに据えて創業しました。スマートフォンとIoTデバイスを組み合わせることで、患者が通院せずとも安全で効果的にリハビリを継続できるよう支援しています。
本記事では、株式会社CaTeの事業内容や資金調達動向、市場の規模等について詳しく紹介します。

事業内容:遠隔心臓リハビリテーションアプリの社会実装を目指す

(引用:PRTIMES

株式会社CaTeが開発を進めているのは、遠隔で心臓リハビリテーションを提供できる治療用アプリです。
患者はスマートフォンと連動したスマートウォッチなどのIoT機器を使用し、自宅にいながら専門的なリハビリプログラムを受けることができます。医療機関で行う心肺運動負荷試験等の結果をもとに運動メニューを個別最適化し、各運動ごとの負荷を細かく計測・管理することで、患者の体調や能力に合わせた安全で効果的な心臓リハビリを実現します。

アプリ搭載機能

  • 運動療法
  • 脈拍・血圧・体温などの毎日のバイタルデータの登録機能
  • 生活習慣管理
  • 食事管理
  • AIによる通知メッセージやチャット機能といった行動変容を促す機能
  • オンラインでの栄養指導や看護師による助言

このように単なる運動記録アプリではなく包括的な心臓リハビリテーションを提供できる点が特徴です。患者は自宅でリハビリを継続できるようになることで、身体機能の回復やQOL向上が期待でき、家族のサポートのもと安心して取り組むことが可能になります。

従来の通院負担を大幅改善

従来、心疾患患者が退院後に心臓リハビリを継続するには定期的な通院が必要でした。しかし高齢の患者にとって頻繁な通院は大きな負担であり、これが日本で心臓リハビリの実施率が低迷する一因となっていました。
CaTeの遠隔リハビリアプリは「自宅でリハビリが完結する」環境を整えることで、この課題を根本から解決しようとしています。通院の手間や時間的制約を大幅に軽減できるため、リハビリ継続率の向上に寄与し、結果的に再入院率の低下や医療費負担の軽減につながることが期待されます。
実際に2024年には同社アプリを用いた臨床研究において、6分間歩行距離や最大酸素摂取量の改善効果が従来の外来リハビリと同等である可能性が示され、研究期間中に心血管イベントは発生せず、高い継続率も確認されました。
このように医学的エビデンスに基づく効果と安全性が示唆されている点は大きな強みです。

また、代表の寺嶋氏自身が循環器内科医・心臓リハビリ指導士といった資格を持つ専門医であり、医療現場の知見をプロダクト開発に活かせる点も差別化ポイントです。医療・IT両面のエキスパート人材でチームを構成し、薬事承認取得に向けた品質管理体制も整備されています。
実際に本アプリは治療用アプリとして将来的に公的医療保険の適用を目指して研究開発が進められています。現在日本で承認されているデジタル治療アプリは禁煙治療用と高血圧治療用の2つのみですが、CaTeは心疾患領域で国内初のデジタル治療アプリを実現すべくパイオニアとして挑戦しています。

資金調達:株式による累計調達額が23.5億円に到達

(引用:PR TIMES

株式会社CaTeは創業からわずか数年で大規模な資金調達に成功しており、成長戦略を強力に後押しされています。
最新のラウンドとなるシリーズBでは以下の投資家から資金調達を受けています。

①2025年8月にシリーズB1stクローズ
 15.8億円の資金調達を実施
リード投資家
・未来創生3号ファンド(スパークス・アセット・マネジメント)
・みずほキャピタル

新規投資家
・JICベンチャー・グロース投資
・トーカイ
未来創造キャピタル
きらぼしキャピタル
フジタ・イノベーション・キャピタル 

既存投資家
・サムライインキュベート
・ジャフコ
・東京ウェルネスインパクトファンド

この1stクローズ時点で創業以来の累計調達額は22億円に達しました。

2025年11月のシリーズBファイナルクローズ
【新規引受先】
・三井住友信託銀行
・ごうぎんキャピタル

これにより株式発行による累計調達額は23.5億円となりました。

潤沢な資金を得たCaTeは、現在心臓リハビリ治療用アプリの治験・社会実装に向けた取り組みを本格化しています。シリーズBで調達した資金を活用し、2025年よりアプリの有効性と安全性を検証する臨床試験を開始しました。
同時に、医療機器としての薬事承認取得に向けた体制整備や、人材採用を含む組織強化、新たな疾患領域への事業展開準備も進めています。投資家からも「安全で有効な遠隔心臓リハビリを可能にするアプリを開発するCaTeの取り組みは、日本の医療を大きく前進させる可能性がある」と期待する声が寄せられており、医療とITの融合による社会的インパクトに高い注目が集まっています。

デジタルヘルス市場:2033年には1兆ドル規模の成長が期待

(引用:straits research

デジタルヘルスとは、誰もが医療にアクセスできるようにし、医療の質を向上させ、消費者の心身の健康増進を図ることを可能にする医療×テクノロジー分野です。テクノロジーと医療システムの相互作用によって実現される概念であり、ソフトウェア・ハードウェア・サービスを統合してヘルスケア分野のデジタル化を推進します。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の「健康と福祉」達成プロセスを加速させる多くの機会が生まれます。

実際に世界のデジタルヘルス市場規模は2025年には約3,293億9,000万ドルに達し2033年には約1兆1837億9,000万ドルまで拡大すると予測されています。そして年平均成長率は17.34%に達する見込みで、非常に高い成長が期待されています。
市場成長の要因として、ウェアラブルデバイス、遠隔医療プラットフォーム、デジタル診断といった技術革新が挙げられます。これらのテクノロジーは医療サービス提供を強化し、患者の転帰を改善するとともに、プロセスを合理化することでデジタルヘルスソリューションの導入と投資を加速させています。

会社概要

会社名: 株式会社CaTe(CaTe Inc.)
所在地: 東京都文京区本郷5-25-13 スカイビジョンビル5階(東京本社)
設立年月日: 2020年3月18日
代表者名: 寺嶋 一裕(代表取締役CEO)
公式HP: https://cate.co.jp/

まとめ

心疾患患者の「自宅でリハビリを受けたい」という切実なニーズに応えるべく、株式会社CaTeは医療とテクノロジーを融合した新しいアプローチで課題解決に挑んでいます。現役医師の知見に支えられた治療用アプリは、高齢化が進む日本において多くの患者さんの再入院防止や生活の質向上に貢献し得るでしょう。実際に臨床研究で有望な結果が示され、著名なVCからの資金支援も得ていることから、同社のビジョン実現に向けた歩みは着実です。今後は心臓リハビリ分野で培ったノウハウを他の疾患にも展開し、より多くの人々が自宅で適切な治療を受けられる「健康な未来」の実現を目指しています。医療課題に真正面から取り組むCaTeの今後の成長と社会実装から目が離せません。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。株式会社CaTeのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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