最終更新日 26/01/09
国内スタートアップ

【ZERO株式会社】フードロス削減と朝食支援を実現するサステナ自販機ビジネス

サステナブル食品
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食品ロスは日本国内で年間約460万〜470万トン以上発生しており、家庭・企業問わず社会課題として大きな注目を集めています。食品廃棄は環境負荷や経済損失につながり、企業のSDGs/ESG戦略でも重点テーマです。加えて、働く人の健康課題として朝食欠食率の高さも指摘されており、食生活改善が企業価値向上の鍵になっています。
株式会社 ZERO は、この二つの社会課題に取り組むスタートアップです。独自のサステナ自販機と福利厚生サービスで、食品ロス削減と従業員の健康支援を両立する仕組みを提供しています。本記事では、日本のフードロスの現状から株式会社 ZERO の事業内容や資金調達動向について詳しく紹介します。

日本の食品ロスの現状

(引用:環境省

日本の食品ロス発生量は減少傾向にありますが、依然として深刻な問題となっています。令和5年の食品ロス発生量は約464万トンであり、そのうち家庭系が約233万トン、事業系が約231万トンと推計されました。
日本政府は食品ロスの削減に向けた目標として、「2000年度比で2030年までに食品ロスを半減させる」という目標を設定しました。
直近2022年度の食品ロス量は家庭系・事業系ともに236万トンであり、家庭系については目標達成に向けて20万トンの削減が必要とされました。事業系については2030年度目標を8年前倒しで達成したことから、新たな目標として60%減と設定されました。

政府の食品ロス削減施策

日本政府は、食品ロス削減に向けたさまざまな施策を実施しています。主な施策は以下の通りです。

・食品ロス削減推進法の施行
2019年に施行されたこの法律により、企業や自治体による食品ロス削減の取り組みが義務付けられました。
実際に企業に対して食品ロス削減に向けた計画の策定を求め、政府はその実行状況をチェックしています。さらに、消費者や事業者に対して情報提供を行い、意識の向上を図っています。

・食品ロス削減月間の設置
毎年9月を「食品ロス削減月間」と定め、全国規模で食品ロス削減を促進するキャンペーンが展開されています。この期間中、家庭や事業者に向けて食品ロスを減らすための啓発活動やイベントが開催され、食品ロス削減に対する認識を高めています。

・規格外品の活用
農林水産省は、規格外の野菜や果物などを市場に流通させる取り組みを進めています。これらは見た目が不揃いであるため、通常は廃棄されがちですが、消費者向けに価格を下げて提供することで、食品ロスを減らすことができます。また、農産物の加工や販売ルートの拡大によって、規格外品を有効活用する動きが広がっています。

食品ロス削減のためには、以上のような政府の施策に加え、家庭での意識改革、事業者の取り組み、流通過程での工夫、そして社会全体での協力が必要です。

株式会社ZEROの創業経緯

株式会社ZERO の創業者である 沖杉大地氏 は、早稲田大学在学中に一大決心をし、休学して世界一周の旅に出ました。彼は、旅をしながら、飢餓に苦しむ人々と、同時に大量に廃棄されていく食べ物のギャップに衝撃を受けました。この経験を通じて、「地球から貧困をなくす」 というテーマを人生の使命として心に誓い、その後の人生を社会貢献に捧げる決意を固めました。
帰国後、沖杉氏は大手旅行会社にてコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせ、その後は経営企画にも携わるなど、ビジネススキルを磨きました。
2017年はフードロス と ビジネス を掛け合わせた新たな挑戦に乗り出し、起業家としての第一歩を踏み出します。その後、彼はフードロス削減のビジネスモデルを構築し、社会課題を解決するためのさまざまな事業を展開してきました。
2022年、沖杉氏は大学時代に交わした約束を果たす形で、親友でありビジネスパートナーでもある 四辻弘樹氏 と共に ZERO株式会社 を共同創業しました。
ZERO株式会社のビジョンは、単なるフードロス削減にとどまらず、社会全体に変革をもたらすとしており、企業のESG活動の一環としても高く評価されています。
現在、ZERO株式会社 は全国展開を進めると同時に、冷凍食品分野や自治体連携、福利厚生としての導入増を狙っています。また、災害支援機能を備えることで社会インフラ化を視野に入れた展開を行っています。

事業内容①:フードロス削減サステナ自販機「ZERO BOX」

(引用:BIPROGY)

ZERO BOX」は、企業や公共施設に設置できる無人販売機です。この自販機では、消費期限が迫るもののまだ食べられる食品を提供し、フードロス削減に貢献します。提供される食品は、菓子関係から食事関係、そして健康食品に至るまで多岐にわたります。
利用者は、スマートフォンで注文し、簡単な操作で商品を受け取ることができます。これにより、企業はSDGs活動を促進し、従業員の福利厚生にもつながります。
導入実績は全国130台にのぼり、既に34万個以上のフードロス削減を達成しています。特に、福利厚生の一環としての導入が進んでおり、企業の 健康経営や ESG経営の一助として注目されています。

ZERO BOXの利便性

無人で24時間利用可能
ZERO BOXはアプリのダウンロードなしで運用でき、クレジットカードやPayPayで支払いが可能です。

簡単な操作でスムーズな受け取りを実現
商品の注文から受け取りまでが簡単で、スマホをタップするだけの操作で完了します。

アンケート機能
利用者の声を集め、従業員満足度の向上や職場環境改善に役立つデータを提供します。

ZERO BOXの非常時対応機能

(引用:PR TIMES)

ZERO BOXは、食品ロス削減に貢献する無人販売機としての役割を果たすだけでなく、災害時にも重要な役割を担います。
実際にZERO BOXは、災害時に発生しがちな停電時にも利用できるよう設計されています。具体的には、停電時でも手動で開けられる機能があり、必要な食料や飲料を迅速に提供することが可能です。この仕様により、災害時に物流が停止しても、地域住民への支援が可能となります。
またZERO BOXでは、普段から冷凍食品や長期保存可能な食品を取り扱っており、災害時にもこれらの商品を迅速に提供することができます。また、避難所で必要とされる飲料水や緊急食料、さらには衛生用品なども取り扱うことで、災害時に地域住民の生活支援を行うことができます。

事業内容②:朝食欠食を防ぐ企業向け健康サポート:朝食サポートBOX

(引用:PR TIMES)

厚生労働省のデータでは、朝食欠食率が高いことが健康リスクを増大させることが示されています。この課題を解決するのが、「朝食サポート BOX」です。
「朝食サポートBOX」は、従業員の健康促進を目的に、無人 BOX でヨーグルトや冷凍弁当などの健康的な朝食商品を提供する福利厚生サービスです。朝食欠食率の高さに着目し、企業が従業員に食を通じた健康支援を提供できる仕組みとして展開されます。
従業員が利用しやすいオフィス内設置型で、健康経営の一環として導入が進んでいます。実際に朝食改善率は14%以上、従業員満足度は98%以上と高い実績を誇っています。
また冷凍保存で賞味期限の延長を実現し、ロス抑制と栄養バランスの両立を可能とする仕組みが近年開発されています。

会社概要

会社名:ZERO株式会社
所在地:東京都台東区東上野2-20-6 会計センタービル1階
設立年月日:2022年3月7日
代表者名:代表取締役 沖杉 大地、四辻 弘樹
公式HP https://www.nofoodloss.com/

まとめ

ZERO 株式会社は、フードロス削減と健康支援という二つの社会課題を、サステナ自販機と福利厚生サービスという形で同時に解決する革新的な企業です。環境配慮と従業員エンゲージメントの向上を両立させる仕組みは、企業価値向上や ESG 戦略にも適したソリューションとして高い成長余地を持っています。今後、国内の導入拡大や自治体との連携、冷凍食品領域への展開など、新たな挑戦が期待されます。
New Venture Voice では、このような注目スタートアップを多数紹介しています。ZERO株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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