株式会社カブ&ピースは、生活インフラサービスを利用した消費者に自社の株式を還元する新しいビジネスモデルを展開する企業です。
同社は、前澤友作氏の手掛ける会社で、大変に注目されており、日常生活に密接なサービスを利用する一般の方に株式を還元することで「国民総株主」の実現を目指しています。
本記事では、同社の事業内容、創業の背景、将来展望等について詳しく解説します。
事業内容:生活インフラサービスを使うと株式が還元
株式会社カブ&ピースは、以下の6つのインフラサービスを軸に事業を展開していく方針です。2024年11月20日のサービス開始が発表され、注目を集めています。
具体的には、電気、ガス、モバイル、ネット回線、ウォーターサーバー、ふるさと納税など、国民生活に密接なサービスを展開。同社は、サービス利用者に株式の一部を「株引換券」の形で提供(証券口座は不要)し、株主化を促進。
6つのサービス
- KABU&でんき:電力を利用することで株式がもらえる。現在契約中の電気会社への解約手続きは不要で、簡単に乗り換えが可能。
- KABU&ガス:ガス契約を切り替えると株式を還元。現在契約中のガス会社への解約手続きは不要で、簡単に乗り換えが可能。
- KABU&モバイル:ドコモ、au、ソフトバンク回線の中から好きな回線への乗り換えで株式がもらえる。
- KABU&ひかり:インターネット回線を利用することで株式を受け取れる。
- KABU&ウォーター:ウォーターサーバー契約者に株式を提供。
- KABU&ふるさと納税:寄付に応じて株式と返礼品を還元。
これらのサービスは、利用することで株式を還元するという新しいビジネスモデルを採用しています。「株引換券」を通じて消費者が株式を取得する仕組みで、証券口座が不要な点が特徴です。
サービスに対するよくある質問(前澤氏のXより)
Q. 株をもらうのに証券口座は必要?
A. 必要ありません。
Q. もらった株はいつ売れるの?
A. 上場後になります。
Q. 上場できるの?
A. 業績次第です。
Q. 今回もらえる株には議決権がない?
A. 今回お渡しする株は種類株で議決権がありませんが、上場の際には普通株に転換され、その際に議決権も付与される予定です。
詳細は前澤友作氏の公式Xをご覧ください。
株式会社カブ&ピースの目論見書に基づく要点
株式会社カブ&ピースの各種サービスに関する目論見書の重要な点をまとめています。なお、目論見書は当社のウェブサイト( https://kabuand.com/prospectus.pdf )よりダウンロード可能です。
特に重要な点が株式の性質です。還元される株式には議決権がなく、会社の経営には関与できません。また、株式を売買する際は会社の承認が必要なため、自由に取引することはできません。これらの制約があるため、還元される株式は『投資目的』ではなく、『サービス利用の特典』として位置づけられているといえます。
以下に目論見書の要点をまとめました。
要点
- 募集概要:
- 株式募集額: 30億円 (見込額)
- 募集株式数: 6億株 (カブアンド種類株式)
- 募集期間: 2025年5月2日~5月23日
- サービスの特徴:
- 生活インフラサービスの提供:
- 電気、ガス、モバイル、ネット回線、ウォーターサーバー、ふるさと納税など、国民生活に密接なサービスを展開予定。
- サービス利用者に株式の一部を「株引換券」の形で提供し、株主化を促進。
- 「国民総株主」の実現をミッションに掲げ、日本経済の活性化を目指す。
- 生活インフラサービスの提供:
- 株式の特徴:
- 「カブアンド種類株式」には以下の制限あり
- 議決権なし: 株主総会における議決権が付与されない。
- 残余財産の分配権なし: 会社清算時に残余財産の分配を受けられない。
- 譲渡制限あり: 譲渡には会社の承認が必要。
- 「カブアンド種類株式」には以下の制限あり
- 資金の使途:
- 本募集は資金調達を主目的とせず、サービス利用者への株式還元を通じて株主基盤の拡大を図る。
- 今後も定期的な募集を計画。
- 経営方針と課題:
- 新規サービスの認知度向上、新規利用者の獲得、サービスの拡充が重要課題。
- 技術開発、人材確保、内部管理体制の強化を進める方針。
- リスク:
- サービス提供の遅延やパートナー企業の問題が業績に影響を及ぼす可能性。
- 株式が未上場のため流動性に欠ける。
- 株引換券の仕組みが法的変更等で機能しなくなる可能性。
この要点は、サービス利用者を株主化し、経済を活性化する独自のビジネスモデルを特徴としています。ただし、議決権がない点や譲渡制限がある点で、投資家には注意が求められます。
創業の経緯:株式を通じた経済活性化への思い
株式会社カブ&ピースの創業者である前澤友作氏は、現代社会が抱える経済格差の問題に取り組み、より多くの人が経済活動に参加できる仕組みを提供したい、とい想いから同社を設立したといいます。
掲げるビジョン「国民総株主」は、全ての人々が株式保有を通じて企業活動に参加し、経済成長の恩恵を享受できる社会を実現するというもの。
特に、前澤氏は①経済格差の解消、②経済成長の恩恵を個人に還元、③国民の経済リテラシー向上という大きく3つの目標を達成することが必要だと、YouTubeや自身のXで述べています。
1. 経済格差の解消
同社は、サービス利用者に株式を還元することで、すべての人に資産形成の機会を提供。これにより、経済的な格差を縮小し、社会全体の豊かさを底上げすることを目指しています。
2. 経済成長の恩恵を個人に還元
電気やガス、通信サービスなど、生活に欠かせないインフラを利用することで、消費者自身が経済成長の利益を直接享受できる仕組みを構築。株式という形で還元される利益は、これまで企業に留まっていた価値を個人に届ける新しい取り組みといえます。
3. 国民の経済リテラシー向上
株式を保有することで、投資や企業活動への関心が高まり、国民の経済リテラシーが向上。多くの人が投資や資産形成を通じて経済を学ぶことで、将来的な経済基盤の安定化にもつながります。
将来展望:早期の上場を目指す
株式会社カブ&ピースは、近い将来の上場を目指しており、2~3年以内の実現を目標としています。今後以下の取り組みが注目されます。
- サービスの認知拡大
同社は、11月20日から提供開始した各種サービスを通じて、株主基盤の拡大を目指します。 - 技術革新とサービス拡充
利用者の利便性を高めるため、インフラの効率化や新サービスの開発を進めています。 - 株式価値の向上
上場に向けて利益を確保し、株式の価値を高める取り組みが進められています。株式には現在「議決権なし」「譲渡制限あり」などの条件が付されていますが、上場時には普通株式への転換が予定されています。
上場が成功すれば、消費者にとってさらに大きなメリットが提供されることになります。
サービス開始と同時に新CMも公開
株式会社カブ&ピースは、サービス開始と同時に新CMも公開しています。新CMには、明石家さんまさんも出演され、今後大いに注目度が高まる可能性が高いといえます。また、上記のYouTube動画では、株式会社カブ&ピースのサービスについて簡単な説明もされているので、気になる方はご覧ください。
会社概要
- 会社名:株式会社カブ&ピース(KABU & PEACE Inc.)
- 設立年:2024年2月9日
- 代表取締役社長:前澤友作
- 拠点:東京都港区赤坂 1-8-1 赤坂インターシティAIR 9F
- 公式サイト:https://kabuandpeace.com
まとめ
本記事では、生活インフラサービスを通じて消費者に株式を還元する新しいビジネスを行う株式会社カブ&ピースについて紹介しました。
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