最終更新日 25/03/07
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データベースの種類を紹介!用途や選び方まで徹底解説

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データベースは、現代の情報社会を支える「心臓部」とも言える存在です。日々生み出される膨大なデータを効率よく管理・活用することで、業務の効率化や迅速な意思決定が可能になります。

とはいえ、「データベース」と一口に言っても、その種類や特徴はさまざま。どれを選べばよいのか迷うことも多いでしょう。

本記事では、データベースの基本的な種類から、押さえておきたい有名なデータベースまでをわかりやすく解説します。さらに、選び方や活用方法についても具体的に紹介するので、自社に最適なデータベースを選ぶ際の参考にしてください。

データベースとは?

データベースとは、決められたデータ構造によって整理された電子上のデータの集まりのことです。

身近なものでいうと、Excelや顧客情報リストなどもデータベースに含まれます。

そして、これらのデータベースの構造を決め、データを管理するのがDBMS”データマネジメントシステム”です。データベースとDBMSの違いは、データ自体かマネジメントする側かの違いですが、昨今、DBMSはDBと同義で使われることが多いです。

ここからは、具体的にデータベースの種類や特徴について紹介していきます。

データベースの種類

データベースは上記の4種類に分けることができます。

階層型、ネットワーク型、リレーショナル型、NoSQL型の4つ種類のうち、特に現在主流のデータベースである、リレーショナル型とNoSQL型について詳しく解説していきます。

現在主流のデータベース2つ

リレーショナル型では、各データが行と列から構成される表形式で蓄積されています。複数の表を関連付けることで、複雑なデータを構成・管理できるのが特徴です。

リレーショナル型の構造で特徴的な点は、テーブル間のリレーション(関係性)を利用してデータを管理できるところです。 例えば、顧客テーブルと注文テーブルがある場合、顧客テーブルの主キーである「顧客ID」を注文テーブルの外部キーとして使用し、顧客とその注文を関連付けることができます。これにより、複数のテーブルにまたがる複雑なデータも効率的に管理できます。

リレーショナル型は現在、最も普及しているといえるデータベースであり、DBMSの世界人気ランキング(2025年1月時点)10位以内のうち、7つのDBMSがリレーショナル型です。

メリット

  • データの一貫性を確保できる
  • 複雑なデータを柔軟に扱える
  • データの整理・管理が容易になる

リレーショナルデータベース(RDB)のメリットは、データの一貫性を保ちつつ、柔軟に管理できるのが特徴です。また、複雑なデータを柔軟に扱えるため、複数のテーブルを関連付けて効率的にデータを管理し、必要な情報を素早く取得できます。さらに、データの整理・管理が容易で、システムのメンテナンスや拡張がスムーズに行えます。
これらのメリットにより、RDBは企業の業務システムやWebサービスなど、幅広い分野で活用されています。

デメリット

  • プログラムの複雑さ
  • スケーラビリティが低い
  • 処理速度が遅くなる

リレーショナルデータベース(RDB)にはいくつかのデメリットも存在します。まず、プログラムの複雑さが挙げられます。データの整合性を保つための設計やSQLの最適化が必要で、大規模なシステムでは管理が難しくなります。また、スケーラビリティが低い点も課題です。RDBはデータが増えると負荷が集中しやすく、分散処理が難しいため、大量のデータを扱うシステムでは制約となることがあります。特に、大量のデータを扱う際や複雑なクエリを実行する場合、処理速度が遅くなるなどパフォーマンスが低下しやすいのが難点です。

NoSQLは、「Not Only SQL」の略で、リレーショナルデータベースの制約を超えたデータ管理方法を提供するデータベース管理システムの総称です。主にリレーショナル型以外がNoSQLに分類されています。

NoSQLには、「ドキュメント型」「キーバリュー型」「カラム型」「グラフ型」などのデータ格納形式があります。上図で表現しているのは、キーバリュー型です。キーバリュー型は、データを「キー」と「バリュー(値)」のペアで管理する方式で、高速なデータアクセスが可能なデータベースです。

このようなNoSQL型では、データは非構造化または半構造化で管理され、他のデータとの関連付けが必要ありません。これにより、リレーショナル型のような固定のテーブル構造に依存せず、柔軟にデータ管理ができます。

NoSQLは、リレーショナル型のスケーラビリティや可用性の問題を解決するために開発されました。近年、ビッグデータやクラウドサービスの普及に伴い、NoSQLの使用が増加しています。

メリット

  • スケーラビリティが高い
  • 柔軟なデータ構造
  • 高速な書き込み処理

NoSQLでは、データ量が増えても分散処理しやすいのがメリットとあげられます。また、柔軟なデータ構造を持ち、変更や拡張などが簡単で、スケーラビリティが高くなっています。さらに、高速な書き込み処理が可能で、大量データを短時間で扱えるため、リアルタイム性が求められるシステムに適しています。これらの特性から、大規模なWebサービスやビッグデータ処理で広く活用されています。

デメリット

  • データ整合性の確保が難しい
  • クエリ言語が標準化されていない
  • データの複雑な検索が難しい

一方、NoSQLでは、RDBのようなトランザクション管理がないものが多く、データ整合性の確保が難しいという課題があります。また、SQLのような統一された標準クエリ言語がないため、データベースごとに異なる操作が必要になります。さらに、検索機能が弱いことが多く、データの複雑な検索が難しいという点もデメリットです。そのため、用途に応じてRDBとの使い分けを検討することが重要になります。

古典的なデータベース

現在、ほとんどのデータベースがリレーショナル型やNoSQLで使われていますが、昔から使われている2つのデータベースを紹介します。

  • 階層型

階層型データベースは、データが階層的に組織されたツリー構造で保存されるデータベースです。各データエントリは親子関係に基づいて一方向に繋がり、ツリーのように整理されています。

データは、親子関係を持つツリー構造で整理され、親データは子データを持つ形式です。ツリーのルートからリーフノードまでのパスに沿ってアクセスされます。

1950年代後半から1960年代にかけて、階層型データベースはデータベース管理の主要な形式として使用されました。特に企業内の大規模な業務システムで利用されていましたが、データの再利用性や柔軟性に欠けるため、現在ではリレーショナル型に取って代わられました。

  • ネットワーク型

ネットワーク型データベースは、データをノード(エンティティ)とエッジ(リレーション)で表現し、各ノードが他のノードに複数のリレーションを持つことで、複雑なデータ構造を表現します。リレーショナル型と比べて、より複雑な関係性を表現するのに適しています。

データは「ネットワークモデル」に基づき、複数の親子関係を持つノードで構成され、ノード間の関係(リンク)を通じてデータが管理されます。

1960年代後半に登場し、リレーショナル型が普及する前にデータベースとして主流でした。データ同士の複雑な関係を表現できるため、特定の分野(例:航空業界など)では今でも利用されています。

これまで紹介してきた、データベースの種類をもとに以下では実際に使われているデータベースについて紹介していきます。

押さえておきたい有名データベース10選

引用元:https://db-engines.com/en/ranking

この表は、世界においてのDBの人気を調査しているDB-Engines Rankingによる、DBのランキングです。
今回はこの上位10位である世界で最も人気なデータベースについて紹介していきます。

① Oracle DATABASE

引用元:https://www.oracle.com/jp/database/
  • Oracle社が開発した世界初の商用DBで、リレーショナル型です。
  • ネットワーク用・大規模システム用に使用されており、法人が使用しているリレーショナルデータベースの中で最も利用されています。
  • 障害に対する機能が豊富のため、耐障害性が高いことが評価されています。

② My SQL

引用元:https://www.mysql.com/jp/
  • Oracle社開発のリレーショナル型DBで、無償であるオープンソースデータベースです。
  • 最近では有償で法人向け商品も提供しており、処理能力の速さに定評があります。
  • WEBとの親和性が高いことに加え、WindowsやMac、LinuxなどさまざまなOSに対応しているのが特徴です。

③ Microsoft SQL Server

引用元:https://www.microsoft.com/ja-jp/sql-server
  • Microsoftが販売している法人向けリレーショナル型データベースです。
  • Oracleと同様、ネットワーク用・大規模用として活用されており、法人向けリレーショナル型DBの中では2位の人気です。
  • Windows環境で多く利用されています。

④ PostgreSQL

引用元:https://www.postgresql.org/
  • オープンソースのリレーショナル型DBで、無料であるにもかかわらず、商業利用に耐えうる高性能が特徴です。
  • 処理能力重視のMySQLとは異なり、機能のバランスが良く、安定したパフォーマンスを発揮することから人気があるDBです。

⑤ MongoDB

  • MongoDBは、NoSQL型のドキュメント指向型DBです。ドキュメント指向型とは、データをドキュメントの形で保存する方法です。
  • MongoDBは、Javascriptとの相性がいいことや、処理速度が速く外部サービスと連携が容易なことから人気があります。

⑥ Snowflake

引用元:https://www.snowflake.com/ja/
  • Snowflakeは、クラウド型のデータウェアハウスです。厳密にはデータベースではありませんが、データを保存・管理でき、SQLで操作できるため広義にはデータベースとして扱われています。
  • データの格納場所とデータ処理を切り離していることから、高速にデータ処理をすることができるのが特徴です。また、データ分析やセキュリティの機能なども充実しており、管理の手間がかからないことから人気を得ています。

⑦ Redis

引用元:https://redis.io/resources/mit-report-genai/
  • Redisは、キーバリュー型のNoSQLデータベースです。
  • インメモリーデータベースといった、メモリ上でデータを管理するデータベースであり、処理速度が高速であることが特徴です。一般的なデータベースに比べて、データの読み書きを高速に行うことができます。

⑧ Elasticsearch

引用元:https://www.elastic.co/jp/elasticsearch
  • Elastic searchは、ビッグデータに対応した全文検索エンジンです。SQLを使用することなく、直観的にわかりやすくデータを検索することができるのが特徴です。
  • さらに大規模なデータを高速で検索することができることに加え、データの更新がすぐに反映されるためリアルタイム分析に適しています。

⑨ IBM DB2

引用元:https://www.ibm.com/jp-ja/db2
  • IBM DB2とは、IBMが提供しているリレーショナル型のDBです。
  • SQLを始めて採用したRDBMSであり、シンプルで使いやすい構造が特徴です。1983年にリリースされるなど歴史長い点や比較的使いやすいという点から、大企業での採用例が多いデータベースです。

⑩ SQLite

引用元:https://www.sqlite.org/
  • リレーショナル型のオープンソースデータベースです。
  • 軽量でありサーバーも不要であることから、自己完結型システムと呼ばれており、簡易的にデータベースを利用したい場合などに向いています。

ここまでは、有名なデータベースについての基礎知識を紹介してきました。 次の章では、実際にデータベースを選定するために役立つ方法を紹介していきます。

データベースの選び方と活用方法

ここでは、リレーショナルデータベースやNoSQLなどデータベース型の選び方など実際の活用方法をなど紹介していきます

リレーショナルデータベースが適している場合
リレーショナルデータベースでは、データの一貫性や整合性を重視するシステムに向いています。

  • 金融・会計システム:トランザクション管理が必要な銀行システムなど
  • 在庫管理・販売管理システム:データの正確性が求められるECサイトの在庫管理システムなど
  • 企業の基幹業務システム:データの更新や参照が頻繁に行われる、顧客管理システムな

②NoSQLが適している場合
NoSQLは、柔軟なデータ管理やスケーラビリティを重視するシステムに向いています。

  • SNS・チャットアプリ:大量の非構造化データを高速処理できるメッセージアプリなど
  • IoTデータ管理:センサーデータなど、ストリーミングデータを扱うリアルタイム分析システムなど
  • ビッグデータ・機械学習:大量のログデータを処理する必要があるレコメンドエンジンなど
  • 柔軟なスキーマ変更が必要な場合:データ構造が頻繁に変わるなどスタートアップにおいてやMVPの開発など

このように、データベースを選定する際には、システムの要件や運用方針に合ったものを選ぶことが重要となってきます。データの型だけではなく、データベースによっても機能や特徴が異なってくるので、十分な比較検討が必要です。

まとめ

データベースにはさまざまな種類があり、用途に応じて最適なものを選ぶことが重要です。扱うデータの特性やシステムの要件を把握し、自社に合ったデータベースを選びましょう。自社システムに合ったデータベースを活用することで、効率的なデータ管理が可能になり、システムのパフォーマンス向上につながります。

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