最終更新日 24/09/19
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【Starpath】元SpaceX社員が作った宇宙経済の促進剤

宇宙
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(引用元:https://starpath.space/

今回紹介するのは「宇宙経済の促進剤」をコンセプトに活躍している、カリフォルニアのスタートアップStarpath です。

現在ロケットには、水素や液体メタンなどの地球上で採取できる燃料が必要ですが、宇宙では確保することができません。そのため、月や火星においてロケットの再利用をすることは不可能で、機体のコストがかかると問題視されています。

このような状況を受け、Starpath は月と火星の資源を利用し、ロケットの燃料になる水を採掘・精製する機械を設計、運用する「Starpath Robotics」の計画を立てており、最初の打ち上げを2026年に予定しています。

2024年8月には1200万ドルの資金調達を実施し、事業拡大中のStarpath Roboticsですが、具体的にどのような事業計画や将来展望、起業の経緯を持っているのでしょうか。

今回は、そんなStarpath について紹介していきます。

【Starpath Robotics】月面でロケット燃料を大量生産する

(引用元:https://starpath.space/

現在Starpathは、月面でのロケット燃料の生産を目標に、2026年にシステムを打ち上げる計画を公表しています。

月面でロケット燃料を大量生産できれば、従来の燃料確保のコストを大幅に抑えることができ、さまざまな月面での可能性を広げることができます。

次にどのように月面でロケットの燃料を生産するかについて、Starpath Roboticsの事業内容とともに紹介していきます。

Starpath Roboticsの計画

Starpath Roboticsは、採掘探査車の部隊を使って数百トンの月の土を掘り出し、それを自律型月面処理設備に持ち込んで水を抽出し、その分子を構成原子に分解し、酸素を液化する方法を実行しようとしています。
酸素は、宇宙船の燃料でも重要な成分であり、SpaceXが予定しているStarship計画では1回の飛行で100~300トンの酸素を消費することが見込まれています。
Starpath Roboticsでは、年間約1,000トンの液体酸素の生産を目標としており、Starshipの月面への定期的な往復飛行だけでも、Starpath Roboticsの生産能力を支えるのに十分な需要があると考えらえています。 2026年に行われる最初のミッションの目標は、年間約100トンの液体酸素に相当する量を採取することです。

Starpath Roboticsの3種類のターゲット

①水を資源とした宇宙船を製造している企業
水を燃料として利用する宇宙船を製造しているArgo Space Corpなど、軌道上での燃料補給をしたいと考えている企業が含まれます。

②ランデブー着陸機を製造している企業
ランデブー着陸機は月面への着陸と離陸が可能で、軌道上で宇宙船とドッキングすることができます。Blue Originが提供するブルームーンのような機体が含まれます。

③スターシップクラスの宇宙船を提供する企業
スターシップとは、SpaceXが開発中の完全再使用型の大型ロケットかつ宇宙船です。現在はスターシップを提供しているSpaceXのみです。

特にSpaceXとBlue Originはどちらも、10年以内に月面に着陸する契約をNASAと結んでおり、Starpath Roboticsの有力な顧客となる可能性が高いことがわかっています。

沿革:設立から3年目で大規模資金調達に成功し、事業拡大へ

(引用元:https://starpath.space/

Starpath Roboticsは、2022年によって設立されました。翌年には、宇宙での燃料確保のためのプロジェクトを本格的に開始し、初めての資金調達を実施します。
2024年8月には1200万ドルの資金調達に成功し、ロボット工学技術における新たな基盤づくりに向けて動き始めています。
現在は、2026年の同社初のシステムの打ち上げに向けて、事業強化中です。

起業ストーリー:目標は宇宙物流を簡素化すること

(引用元:https://techcrunch.com/2023/09/26/starpath-robotics-wants-to-unlock-off-world-colonies-by-mining-moon-water-for-rocket-fuel/https://restofworld.org/2024/three-minutes-with-jason-zang/

ここではTech Crunchとrest of worldに掲載されたインタビューから、Starpathの起業ストーリーについて紹介していきます。

Starpathはシュロフ氏、ゴンダレカー氏、ザング氏によって2022年半ばに設立されました。

3人はもともとSpaceXで勤務をしており、ゴンダレカー氏は構造エンジニアとして3か月間、ザング氏はカリフォルニア大学バークレー校で工学の学士号を取得後に航空電子工学エンジニアとして4か月間勤務していました。

3人がStarpathのアイデアを思い付いたのは、SpaceX で働いていた際に、SpaceXにはロケット燃料用に地球外天体で水を採掘するチームがないことを知ったのがきっかけだそうです。また、ザング氏が中国人であり、米国での宇宙産業の制約が相まって、Starpathの設立に至りました。

地球外資源を利用して宇宙物流を簡素化することを目標に、 Starpath Roboticsのプロジェクトがスタートします。

資金調達

直近で調達された資金は、2026年に向けた初のシステム打ち上げに向けて、カリフォルニア州ホーソーンの新拠点の開発、研究活動の推進、新規雇用の取り組みなどの支援に充てられる予定です。

  年月 調達額 投資家
2023年3月 非公開 Plug and Play
2024年8月1200万ドル8CV、他10人の投資家

将来展望

(引用元:https://techcrunch.com/2023/09/26/starpath-robotics-wants-to-unlock-off-world-colonies-by-mining-moon-water-for-rocket-fuel/

Tech Crunchに掲載された、CEOであるシュロフ氏へのインタビューによると、スターパスはすでに、火星の大気中のCO2をメタンに変換する処理計画と火星探査機の艦隊の開発に目を向けているそうだ。
インタビューの中で、シュロフ氏は「生命はごく短期間で複数の惑星に広がる可能性がある」と語るとともに「月で1,000トンの液体酸素を作れば、火星に100万人の都市を作るのも可能だろう。」と述べている。

企業情報

会社名    Starpath Robotics

代表者    Saurav Shroff

本社所在地  13030 Cerise Ave. Hawthorne, California 90250, US.

設立年月日  2022年

従業員数   20人

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