Spiral.AI株式会社(以下、Spiral.AI)は2023年3月創業の、生成系AI事業を展開する会社だ。同社はミッションとして「人類の技術進歩を加速させる」を掲げている。主な事業として巨大言語モデル(LLM)を活用したサービスの開発を行う。
事業内容:巨大言語モデル(LLM)を活用した独自のサービス
AI キャラクター事業
個性を再現した次世代AIキャラクター作成・運用プラットフォーム
Naomi.AI
実在の芸能人「真島なおみ」と音声やチャットで、疑似的な会話コミュニケーションを体験できるAIコミュニケーションサービス。
最新の音声生成AI技術を使用し、高音質で本人の声や返信内容を再現。ユーザーはNaomi.AIとの会話を通じて、対話履歴に基づいた個別の応答を得ることができ、会話が進むほどユーザーをより理解するように進化。ユーザーデータのプライバシーとセキュリティは保護されており、学習データとして使用されないように設定されている。
DXプラットフォーム
生成AI/LLMを活用して簡単に業務支援・効率化ができるプラットフォーム
Spiral.Bot
ノーコードでカスタムChatGPTが作成可能な、高性能AIコミュニケーションプラットフォーム
Spiral.Botは、Webページなど指定された情報を参照しながら適切に回答可能。2022年以降の情報や、企業ごとの具体的な情報が学習されていないOpenAIが提供するオリジナルのChatGPTの弱点を克服している。Spiral.Botは、キャラクターの個性や口調などを調整することで、陽気なマスコットキャラクターから誠実な口調まで、ブランドにあわせたカスタマイズを行うことが可能である。
Dial Mate
Dial Mateは、音声認識と質問内容の抽出を行い、関連するQA項目を自動で提案するコールセンター用の音声AIツール。受電をすると、AIが自動的に音声から文字起こしを行い、質問内容の分析・要約を行う。質問内容に対応する形で、想定される回答内容に関連するQA集を提示し、オペレーターの業務を支援。
起業背景:巨大言語モデル (LLM) の社会実装を目指して設立
Spiral.AIは代表取締役の佐々木雄一氏によって、巨大言語モデル (LLM) の社会実装を目指して2023年3月に設立された。
佐々木氏は、2022年の夏頃から海外で言語モデルを利用した様々なサービスが出始め、この技術を日本でも発展させたいという思いから起業を決意した。
資金調達:シードラウンドにて総額約12.1億円の資金調達を実施
2023年10月にはシードラウンドとして、スクラムベンチャーズなどの有力ベンチャーキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施した。これにより、本ラウンドにおける調達の総額は10億6,000万円、設立以来の累計調達額は総額12億1,000万円となる。今回調達した資金は、優秀なエンジニア・事業開発メンバーの採用や開発インフラの拡充に活用する方針だ。
市場規模:対話AI市場は2027年度に50倍の約6905億円へ
株式会社シード・プランニングが2023年6月8日に発表したデータによると、ChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)を使用した対話AIサービスに関する市場は、2023年度140億円、2027年度に約6905億円に成長すると予測されている。
将来展望:「日本といえばSpiral.AI」を目指す
現状のToBのDX事業とToCのAI Character事業をいずれは合流させ、ToB・ToC関わらず、あらゆる場所にAIを実装できるようにする。さらに自社で言語モデルを作り、これらの事業に合流させることが目標である。
このような事業戦略を通じて、「日本といえばSpiral.AI」と思われるような世界中の人が認知する企業を目指す。
さらに、最終的には「TwinLLM」で一人ひとりが自分の分身を持つ未来を実現することを目指す
「Naomi.AI」と同様の学習で、AIで構築した一人一人の趣味嗜好をコピーしたキャラクターを「TwinLLM」と言う。 「TwinLLM」の実現により、自分の分身として生活上のあらゆる行動を安心感を持ってに委ねられる未来を目指す。
【代表インタビュー:後編】「世界の技術進化を10年加速する」CEO佐々木が描くSpiral.AIの未来とは | Spiral.AI株式会社
ヒトの分身を生み出す“EQ”重視の「TwinLLM」とは何か――AIが人間の価値と可能性を拡げる未来