今回紹介する、SORABITO株式会社(以下、SORABITO)は、建設業界の業務効率化を推進してる企業です。
一過性のサービスやプロダクトではなく、将来にわたり世の中を支え続けるような「仕組み」をつくることを目標としています。
主力事業として「i-Rental」という、建機会社向けの営業・点検・受注・経営分析などをサポートするサービスを提供中です。 特に、業務が煩雑な建機レンタル会社の業務効率化を推進しています。
沿革:建機レンタル会社に向けたサービスを拡大
(引用元:SORABITOホームページ『沿革』・『サービス紹介』)
SORABITOは2014年に創業し、約9年間で累計39億円を調達しました。 2019年には、週刊東洋経済の「すごいベンチャー100」に選出されています。 そして、2021年・2022年には、主力事業である以下のサービスを提供し始めました。
〈SORABITOの主力サービス〉
- 「i-Rental」:建機会社の業務効率化を推進
- 注文機能:建機レンタルの営業業務をサポート
- 受注管理機能:建機レンタルの受注業務効率化をサポート
- 点検機能:建設機械の点検業務をサポート
事業内容:建機レンタル会社の業務サポート
(引用元:SORABITOホームページ『サービス』紹介)
上記の主力事業である、建機レンタル会社向けの「i-Rental」について紹介していきます。
i-Rentaは、建機レンタル会社の営業・業務・点検・経営課題を、オンラインで解決できるサービスです。
建機レンタル会社では、上記図のようにレンタル品管理の煩雑さが課題となっています。またレンタル品管理業務だけではなく、営業担当者の業務過多が問題です。
複数の建設会社や現場監督を担当する営業担当者が、顧客開拓や顧客へのフォロー・提案などのその他の膨大な業務をこなすことも少なくありません。
このような状況を解決するために、i-Rentalには、主に以下の「注文」「受注管理」「点検」の3つのプロダクトを提供しています。
① i-Rental 注文
営業サポート機能で主に、建設会社全般向けのサービスです。 建設会社の「貸出注文」「電子カタログ」「注文履歴」「返却一覧」を1つのアプリで管理することができます。
この「 i-Rental 注文」を通して、以下の課題を解決することができ、営業担当者の業務効率化が進みます。
課題① 営業担当者が顧客からの注文・質問・確認の電話対応に追われること
↓
注文や確認作業をアプリでできるため、電話対応を減らすことができる
課題② 電話での注文が「言った、言わない」のトラブルになること
↓
アプリ内にレンタルの履歴が残るので、発注に関するトラブルを回避できる
課題③ 商材のカタログやチラシを作成しても顧客に見てもらえないこと
↓
アプリを通して顧客のスマホに直接、カタログやチラシを送信できる
② i-Rental 受注管理
建機レンタル会社の受注業務を効率化するシステムです。 「在庫確認」「注文入力・確定」「入出庫管理」などの機能があり、以下の建機レンタル会社の課題を解決することができます。
課題① 複数拠点の在庫状況の確認が難しく、注文確定が遅れることがあること
↓
アプリ上で在庫機械の一元管理と、営業所間のレンタルに対応し、迅速に注文確定できる
課題② 頻繁な注文変更やキャンセルでシステム上の更新が煩雑であること
↓
アプリの画面上に入力するだけで、簡単に注文変更ができる
課題③ 入出庫予定を更新し、営業所内に指示を徹底するのが煩雑であること
↓
アプリを通して、入出庫予定をリアルタイムに更新することができる
③ i-Rental 点検
建機レンタル会社の、建機機械点検の業務を効率化するシステムです。 「点検・修理」の「登録」「履歴」「一覧」を1つのアプリで管理する仕様となっています。 この機能を通して、以下の建機レンタル会社の課題を解決できます。
課題① 点検写真と点検表の突合やファイル整理に時間がかかること
↓
アプリ上で点検表や写真などのデータが一覧化されており、自動で整理される
課題② 過去の点検表や修理伝票を探して確認するのが大変なこと
↓
アプリ上で機械ごとに、過去の点検・修理履歴が一覧化されており、簡単に確認できる
課題③ 点検のレベルが担当者ごとに差があること
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アプリ上の決められたフォーマットで、点検・修理情報を容易に選択でき、個人差を埋められる
これらi-Rentalの3つの特徴を生かして、建設会社の業務効率化を推進しています。
資金調達額:累計39億円を調達
(引用元:SORABITOホームページ『沿革』・THE BRIDGE2021年5月13日記事)
SORABITOは着々と資金調達をしています。2023年に、過去最高額である14億円を調達しました。 これらの資金をサービスの改善、普及に向けて使用するそうです。
市場規模:2029年には世界の建機レンタル市場は1646億ドルへと拡大
(引用元:Fortune Business Insights『建設機械レンタル市場規模、シェア、新型コロナウイルス感染症の影響分析』)
Fortune Business Insightsの調査によると、世界の建設機械レンタル市場規模は、2022年の1160億ドルから、2029年までに1646億ドルに成長するそうです。
それに伴って、建機レンタル会社の営業・業務・点検・経営課題解決をサポートするi-Rentalの需要拡大が見込まれています。
将来展望:市場拡大に伴い、海外展開を強化
(引用元:SORABITO公式Note『第2回:SORABITO ビジョンの礎になる事業づくりの可能性』)
株主である住友商事や伊藤忠TC建機から海外の情報提供を受け、SORABITOのソリューションは、海外のレンタル業界でそのまま生かせると判断しているそうです。 特にアジアはこれからレンタルビジネスが盛り上がるため、SORABITOのソリューションに対しての需要が拡大すると考えられています。