最終更新日 24/09/13
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【SmartHR】スタートアップから大企業へ

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引用:https://smarthr.co.jp/

2013年に宮田昇始氏が設立した、株式会社SmartHR(以下、SmartHR)を紹介します。 「なぜ社名を変更したのか」「CEOが交代した経緯は?」など、気になっている人も多いでしょう。 本記事では、SmartHRの事業概要や沿革、展望を紹介し、上記の疑問も解決します。

SmartHRとは

SmartHRは、「Well-working 労働にまつわる社会的課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」をミッションとする企業です。現在は、クラウド人事ソフト「SmartHR」*を運営しています。

「SmartHR」*:本記事では、企業名をSmartHR、サービス名を「SmartHR」と表記します。

SmartHRの事業概要

引元:https://smarthr.co.jp/service/

「SmartHR」は、人事・労務の業務効率化と、働くすべての人の生産性向上を支える、クラウド人事労務ソフトです。データの一元管理・容易なデータ分析による組織改善・業務の効率化を実現します。

  • データの一元管理
    住所変更や扶養変更など、あらゆるシーンで必要な労務の手続きがSmartHRで完結。自動でデータベースが更新され、常に最新の人事データを一元管理できます。
  • 容易なデータの分析による組織改善
    データ分析の専門知識がない担当者でもわかりやすい操作性で、データの可視化・分析を実現。人事評価・組織課題の発見など、効果的なタレントマネジメントを支援します。
  • 業務の効率化
    年末調整や雇用契約などの労務手続きから、人事評価まで、書類回収やチェック作業に多くの時間を取られていた、人事・労務業務を効率化。

マネタイズ手段は、企業からのサブスク料金の徴収です。サブスク料金は従業員数単価で計算されます。 SmartHRは無料プランも設定しており、以下の2点を目的としています。

  • 小さな企業でも社会保険の手続きを抜け漏れ無くやってもらえる環境をつくること
  • その結果、多くの企業が導入し、認知が拡大すること
SmartHR(スマートHR)|シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト
SmartHRは、労務管理クラウド5年連続シェアNo.1のクラウド人事労務ソフトです。人事・労務の業務効率化はもちろん、働くすべての人の生産性向上を支えます。

SmartHRの企業沿革

株式会社KUFU設立

SmartHR創業者の宮田昇始氏は、起業以前、ウェブディレクターとして働く会社員でした。3社目の会社に在籍していた時に難病を患い、数カ月間の車いす生活を余儀なくされました。その期間にキャリアを見つめ直したことをきっかけに、当時の会社の代表と合わないと感じていたこともあり、起業を決意。

「SmartHR」リリース

起業した当初は、受託で稼いだ資金で自社サービスを作りつつ、のびのびと事業を行う方針でした。しかし、大きく2つの理由で自社サービスはうまくいきませんでした。
1つ目の理由は、自社サービスへのコミットが中途半端である点です。

<サービスが伸びない理由>

  1. 自社サービスを開発する
  2. 資金不足に陥る
  3. 受託で資金を稼ぐ
  4. この間にサービスが鈍化する

2つ目の理由は、ヒアリングが不十分であった点です。 宮田氏は、「自分たちができること」から発想した結果、誰も欲しがらないサービスを作っていたと考えています。 顧客の課題発見の重要性に気付いてからは、「課題の仮説→サービスのプロトタイプを作成→ヒアリング→仮説の判断」を繰り返しました。そして、合計12回のピボットを経て、社会保険の手続きに課題を発見し、「SmartHR」を立案。

代表取締役CEO交代

2022年に、代表取締役CEOが宮田昇始氏から、芹澤雅人氏に交代しました。 宮田氏が決意した理由は、2021年にユニコーン企業になったことです。以前は、「ユニコーン企業になるぞ」という目標を掲げて社員を束ねていたが、次の目標は、「社会のインフラになる」に変わりました。宮田氏は、0→1に楽しさを感じるタイプで、CEOを退こうと考えたそうです。 そして、企業が大きくなるにつれて重要視されるトップダウンでの意思決定ができ、企業文化を維持できる点で芹澤氏がCEOに選ばれました。

宮田氏はその後、SmartHRの完全子会社で、株式報酬にまつわるSaaSとフィンテックサービスを運営するNstock株式会社を立ち上げ、CEOを務めています。

「12回の事業転換」世の中の課題見つけられずに SmartHR・宮田昇始社長
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SmartHR・CEO交代の舞台裏──創業者の宮田氏と新社長の芹澤氏が語る
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SmartHRの資金調達・市場動向

SmartHRは、2021年に約156億円を調達し、累計調達額は約238億円に達しました。 ITRによると、2026年の労務管理市場の規模は270億円に達する予想です。 市場拡大の根拠は、労働および社会保険に関する行政手続きの電子申請の義務化に伴い、労務管理業務のデジタル化が急速に進展していることが挙げられています。 (https://www.itr.co.jp/topics/pr-20230411-1)

SmartHRの将来展望

引用:https://note.com/smarthr_co/n/n5143cf05feec

SmartHRの現CEO芹澤氏は、「SmartHRはスケールアップ企業である」と述べており、SmartHRは大企業になるために急成長を目指します。

スケールアップ企業の特徴は「製品の市場テストが完了し、規模拡大を行う段階」で「組織・事業ともに急成長する」とされています。これはまさしく、スタートアップ企業にも大企業にもなれない僕たちにぴったりの段階

引用元:https://note.com/smarthr_co/n/n5143cf05feec

<SmartHRが急成長を目指す理由>
SmartHRが急成長を目指す理由は、以下の2点です。

  1. ミッションである「Well-working 労働にまつわる社会的課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる。」を少しでも早く実現するため。
  2. SmartHR自体もwell-working な状態を保つため。

2つ目の達成に向けて、以下のような取り組みに注力する予定です。

  • 日々、成長実感と自己実現の機会があり、誇りを持って働くことが出来ること
  • また、その結果としてSmartHRの事業成長をリードしている実感が持てること

SmartHRという「スケールアップ企業」について 〜スタートアップにも大企業にもなれないわたしたち〜|株式会社SmartHR
こんにちは、SmartHR CEO の芹澤です。 こうして会社のアカウントで note を書くのは、実に昨年3月の「事業戦略発表会では話せなかったSmartHRの組織のリアル」ぶりとなります。 あれから1年弱、組織も事業も堅調に成長をしてい...
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