株式会社Pictoria(以下、Pictoria)はAI技術を用いたVtuber「AITuber」など、AIキャラクターの開発、提供を行うスタートアップです。
「推せる未来をつくる。」をミッションに掲げ、エンターテインメントとテクノロジーを掛け合わせることで、バーチャルとリアルの世界の境界線をなくすことを目指しています。
事業内容:AI×Vtuberで切り開くエンタメの新境地
PIctoriaは大規模言語モデル(LLM)、合成音声技術を含む最先端AI技術を活かしてAIキャラクターコンテンツやAIコンテンツの開発、提供を行っています。
AITuber
AITuberとは、AI技術を用いてVTuberとしての活動をする、新しい形のマルチタレントです。
VTuberと同じように活動しつつ、人間にはできないようなコンテンツ提供や、独特な技能を披露することなどが可能です。
YouTubeをはじめとしたプラットフォームで、ゲーム実況や動画投稿・歌唱・ダンス・雑談など 幅広いジャンルで活動しています。
Pictoria初のAITuber『紡ネン』
AI CAST
AI CASTは、多様な世界観や背景をもった キャストが集う、世界初のAITuber事務所です。
同事務所では、AITuberのマネジメントを通じて、幅広い層から推され愛されるAITuberを育てることを目標にしています。
Pictoriaの豊富なAITuber運営の知見と 最新のAI技術を掛け合わせ、AIであることを意識せずに、心からキャラクターを応援できるような世界の実現を目指します。
Pictoriaの強み
①合成音声技術「Talk Shape」
Talk Shapeは、Pictoriaが開発した新たな合成音声サービスです。
同サービスは、日本人らしいキャラクター表現に特化した音声合成技術を使用している点に特徴があります。そのため、キャラクターらしい自然な会話を実現しました。
②大規模言語モデル(LLM)の開発
Pictoriaはキャラクター表現に特化したLLM技術の開発を行っています。
ChatGPT以外のAPIやLLMも活用し、キャラクターの表現力を高めることを実現しました。 また『行動創発AI』という、AIが自ら話をできるよう、自律的に状況に応じた行動を創発するAIも開発しています。
③AIの最適な活用
Pictoriaは自然な会話を実現する上で必要なタスクを分割し、それぞれを最適なAI(LLM)に担当させることで自然な会話を実現する、というAIパイプラインを開発しました。
実績:様々な大企業へAI技術を提供
Pictoriaの技術は、これまでさまざまな大企業への導入実績があります。
主な例として、同社は、ガンダムメタバース専用AIを育成する「プロジェクト・メロウ」を株式会社バンダイナムコエンターテインメントと共同開発しました。
また、お問い合わせに応対するAIオペレーターを株式会社大和証券グループと共同開発するなど、キャラクターとAIを主軸とした最先端技術を提供しています。
会社沿革:AI技術を用いたキャラクターコンテンツ事業を拡大中
Pictoriaは2017年に明渡隼人氏によって創設され、AIキャラクターの開発、提供を中心に事業を展開してきました。
2020年には、SNSからユーザーの言葉を学習し、リアルタイムに成長するAITuber「紡ネン」をリリースしました。
2023年3月には、多様な世界観や背景をもった キャストが集う、世界初のAITuber事務所である「AICAST」を発表しました。
同年11月には合成音声サービス「Talk Shape」を発表するなど、AI技術を用いたキャラクターコンテンツ事業を拡大させています。
資金調達
Pictoriaは、これまでに複数回の資金調達を達成しており、累計調達額は7.1億円です。
2022年11月にはシリーズAラウンドで総額3.4億円の資金調達を実施しました。
Pictoriaは調達した資金を元に、効率的な開発プロセスとコスト削減の方法を模索するほか、独自のデータセットの開発なども含め、AI技術がエンタメ分野で真に受け入れられる価値の提供を目指していきます。
市場規模:Vtuber市場は2029年に27億5900万ドルへ
世界のVtuber市場調査レポート2023によると、世界のVtuber (バーチャルYouTuber) 市場は、2022年に4億4800万米ドルの評価を受けています。
2029年までに35.6%の成長が予測されており、27億5900万米ドルに達すると予想されています。
Vtuber市場は、今後メディアやエンターテインメントだけではなく、さまざまな領域での活用が期待されています。
将来展望:BtoBからBtoCへ事業を展開
以下は代表の明渡氏による今後の展開についての抜粋です。
まずBtoBで売り上げを組み立てていく必要性を感じます。法人向けに実績を上げて技術もノウハウも認めていただいて、BtoCのほうにつなげていきたいと思っています。
言い換えると、短期間で大量にキャラクターを生成し、成功失敗を繰り返すのではなく、足元を固めてから一般向けのヒットを狙いにいくという意味でもあります。
AIキャラクター作成のサービスが必要とされている法人向けにも、ニーズは大きいと感じています。あとは相手のクオリティラインを達成することが重要な課題です。
つまり技術提供する側ができることと、こうしたいと思っている企業とのギャップ、そこを埋めるための技術開発を急ピッチで進めているところです。 そのためにどう開発していくべきかはまとまっているので、クリアしていく自信はあります。
このようにPictoriaは、今後まずは法人向けに技術を提供していきます。
その後はToBで得た実績を基盤に一般向けにサービスを展開し、バーチャルとリアルの世界の境界線をなくすことを目指していきます。
まだ見ぬエンタメ創造への挑戦!開発・創業経営者に聞くAIVTuberの未来像
会社概要
会社名:株式会社Pictoria (Pictoria Inc.)
所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂 1-14-14 第35興和ビル4階
資本金:7億1千万円(資本準備金含む)
設立年月日:2017年12月22日
代表:代表取締役 明渡隼人
まとめ
本記事では、AI技術を用いたVtuberなど、AIキャラクターの開発、提供を行う株式会社Pictoriaについて紹介してきました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
PictoriaのようにAI技術を用いたキャラクター事業を展開する企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。