NovoNutrients社は、二酸化炭素を活用して高品質な代替タンパク質を生産するアメリカのスタートアップ企業です。2017年にカリフォルニア州で創業された同社は、環境問題と食糧問題の解決に挑戦しています。独自の微生物発酵技術を用いて、持続可能な未来の実現に向けた事業を展開しています。
本記事では、同社の事業内容や資金調達など詳しく説明しています。
事業内容:二酸化炭素を主原料として、高品質なタンパク質を生産
NovoNutrients社は、産業排出された二酸化炭素(CO2)を主原料として、高品質なタンパク質を生産する会社です。
同社の技術の特徴は、大型工場などから排出される二酸化炭素を活用し、水素と自然由来の微生物を利用したガス発酵プロセスにあります。このプロセスにより、魚類の飼料から高栄養価ペットフード、さらには人間用の食肉代替品まで、幅広い高栄養価のタンパク質原料を生産することが可能となっています。
<NovoNutrients社の主なサービス>
- 高品質タンパク質原料
- 食品用途:植物由来の代替肉製品などに使用される高品質なタンパク質原料
- 飼料用途:魚類や他の動物向けの栄養価の高い飼料原料
- ペットフード用途:高栄養価のペットフード原料
- 環境負荷低減サービス
- 産業排出CO2の有効利用
- 持続可能なタンパク質生産プロセスの提供
- 技術ライセンス供与
- 独自の微生物発酵技術のライセンス供与
- バイオリアクター設計技術の提供
これらのサービスは、従来の農業や畜産に依存しない新たなタンパク質供給源として、食品産業や環境分野に大きく貢献する可能性があり、注目されています。
会社沿革
NovoNutrients社の公開情報から主要な出来事をまとめています。
- 2017年:カリフォルニア州サニーベール市で創業
- 2022年:自社開発のタンパク質が、栄養価評価指標で牛肉と同等のスコア1.14を達成
- 2023年3月:カロテノイド生産技術の革新を発表
- 2023年4月:オーストラリアのエネルギー大手Woodside Energyと技術開発契約を締結し、大規模パイロットシステムの構築支援を受ける
これらは、NovoNutrients社の技術開発の進展と事業拡大の過程を示しています。創業以来、パートナーシップを拡大し、商業化に向けた準備を進めていることがわかります。
資金調達:創業以来、順調に資金調達に成功
NovoNutrients社の主な資金調達実績は以下の通りです。
- 2021年の資金調達:
- 金額:470万ドル
- 主導投資家:Happiness Capital
- 参加投資家:E2JDJ、Marinya Capital、SOSV’s IndieBio、Grantham Environmental Trust
- 最新(2024年7月)の資金調達:
- ラウンド:シリーズA
- 金額:1800万ドル(約28億円)
- 主導投資家:Woodside Energy
- 共同主導投資家:CM Venture Capital
- 参加投資家:IndieBio、Decarbonization Consortium、Happiness Capitalなど
これらの資金調達により、NovoNutrients社は産業用パイロットプログラムの完了や事業拡大に必要な資金を確保しています。
特に最新のシリーズAラウンドでは、大手エネルギー企業や環境関連のベンチャーキャピタルが参加しており、同社の技術と事業モデルへの期待の高さがうかがえます。
将来展望:生産規模、製品ポートフォリオともに拡大
NovoNutrients社は、以下のような将来展望を発表しています。
- 生産規模の拡大
- 現在のキログラム単位、さらにトン単位へと生産規模を拡大
- 世界規模の工場で年間約20万トンのCO2を再利用する計画
- 製品ポートフォリオの拡大
- タンパク質原料以外の高付加価値生化学製品(カロテノイドなど)の開発と生産
- 人間用食品、ペットフード、養殖飼料など、幅広い用途への展開
これらの展望を通じて、NovoNutrients社は環境問題と食糧問題の解決に貢献しながら、持続可能な事業成長を目指しています。
会社概要
会社名:NovoNutrients
設立:2017年
拠点:アメリカ合衆国、カルフォルニア州
創業者:David Tze