今回ご紹介するのは、「MUSVI株式会社」(以下、MUSVI)という注目のスタートアップ企業です。
MUSVIは、遠く離れた場所にいる人同士でも、まるで目の前にいるかのように自然なコミュニケーションを可能にする革新的なテレプレゼンスシステム「窓」を開発しています。この「窓」は、ソニーグループが20年以上にわたり研究を続けてきた高度な技術を基盤としており、さまざまな業界で高い評価を獲得しました。
また、2024年11月にはシリーズAラウンドで約6億円という大規模な資金調達に成功し、多くの投資家から注目を集めています。この資金調達の成功は、MUSVIが持つ技術力や事業の将来性に対する強い期待を反映したものといえるでしょう。
本記事では、MUSVIが開発するテクノロジーや事業内容に加え、今回の資金調達の背景や今後の展望についてもくわしく解説していきます。
事業内容:テレプレゼンスシステム「窓」を開発・販売
MUSVIは、時間や空間、価値観の違いを超えて人々をつなぐ「空間接続ソリューション事業」と、世界中の80億人をつなげる「コミュニティプラットフォーム事業」という2つの事業を展開しています。そして、この「空間接続ソリューション事業」にて活躍しているのが、MUSVIの主力製品であるテレプレゼンスシステム「窓」です。
「窓」は、映像や音声、インタラクション技術を組み合わせ、遠く離れた相手があたかも目の前にいるかのように感じられるリアリティを提供します。また、単にコミュニケーションを取るだけでなく、同じ空間を共有しているような「雰囲気」や「気配」までも再現する、次世代型のコミュニケーションが大きな特徴です。この装置は、ソニーグループ株式会社での20年にわたる技術研究を基盤としており、圧倒的な臨場感と遅延の少なさによって、対面に近いリアリティを実現しています。
このシステムは現在、オフィスや作業現場をはじめ、さまざまな分野で活用されています。特に、建設業や小売業(とくにコンビニエンスストア)、金融業、さらには遠隔医療の分野で導入が拡大しているそうです。
このように、MUSVIは人口減少や人的資本の重要性が注目される中で、距離の制約を超えた協業や多様な人との出会いを促進する、新しい遠隔コミュニケーションの可能性に大きな期待を寄せています。
2022年9月に本格的にスタートした「窓」を活用した空間接続ソリューション事業は、現在までに国内外で500台以上の導入実績を達成しており、わずか2年間で着実に成長を続けています。
資金調達:2024年11月にシリーズAで6.1億円の調達を発表
MUSVIは2024年11月14日、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が運営する「未来創生3号ファンド」を引受先とする第三者割当増資を実施し、シリーズAラウンドのファーストクローズにおいて資金調達を行いました。この結果、累計資金調達額は6.1億円に達しました。
今回の資金調達により、MUSVIはさらなる事業拡大と成長の加速を目指すとともに、経営基盤の確立に取り組む計画です。これまでの実績やお客様・販売パートナーの声を踏まえ、営業体制の強化や体験スペースの拡充、ソニーで培った高い技術力に基づく新たな製品・サービスの開発、経営管理体制の整備を実施するとしています。
創業者プロフィール:阪井 祐介
1999年にソニー株式会社に入社。距離の制約を超えて”まるで同じ空間にいるかのような”自然なコミュニケーションを可能にする「窓」の実現に向けて、認知心理学、建築、インタラクションデザインの観点から20年以上にわたって研究開発を行う。
2019年からはSRE AI Partners株式会社において、人と人、そして空間をつなぐコンサルティング事業を手がけ、オフィスや医療・介護、教育、地域創生など幅広い領域で活動を展開。2022年にはMUSVI株式会社を創業し、「窓」のさらなる社会実装を目指して事業を進めています。なお、趣味はヨット、合気道、放浪とのこと。
企業概要
- 企業名:MUSVI株式会社(MUSVI Corporation)
- 代表者:代表取締役 / Founder & CEO 阪井 祐介
- 設立:2022年1月7日
- 所在地: 〒141-0001 東京都品川区北品川5-12-4 リードシー御殿山ビル7階
- 公式HP:https://musvi.jp/
まとめ
本記事では、自然なコミュニケーションを可能にする、革新的なテレプレゼンスシステム「窓」を開発するMUSVI株式会社について紹介しました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
MUSVI株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。