最終更新日 24/09/13
国内スタートアップ

【Mantra】世界の言葉で、マンガを届ける

AIエンタメ
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Mantra株式会社(以下、Mantra)は、マンガに特化したAI翻訳技術の研究開発を行うスタートアップです。

「テクノロジーで言葉の壁をなくし、マンガに関わる世界中の人を幸せにする」をミッションに掲げ、世界の言葉でマンガを届けるための、AI技術を作っている会社です。

Mantraの自動翻訳

Mantraは独自のAI翻訳技術を利用して、マンガに特化した機械翻訳エンジンを構築しています。

翻訳プロセスは以下の通りです。

  • STEP1:原稿から吹き出しを自動検出
    • マンガの画像から、翻訳したい文字の領域を漏れなくチェックします。
  • STEP2:検出したセリフを正確に認識
    • マンガ特有の変形したフォントも含め、正しく文字を認識します。
  • STEP3:異なる言語へ自動翻訳
    • セリフ前後の文脈を認識しながら、自動的に翻訳。さらに、吹き出しの中の文字を置き換え、翻訳後のマンガが完成します。

サービス:AIマンガ翻訳技術を活用

Mantraは、AIマンガ翻訳技術を活用して、主に2つの事業を展開しています。

Mantra Engine:世界の言葉で、マンガを届ける

(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000059295.html)

Mantra Engineは、マンガの多言語展開を可能にするクラウドサービスです。

同サービスでは、簡単な操作方法でマンガを翻訳することができます。

使い方

  1. マンガの画像をMantra Engine上に直接ドラッグ&ドロップします
  2. 写植のない原稿*をアップロードします。※写植のない原稿とは、セリフの文字が入っていないマンガ原稿のこと
  3. Mantraのマンガ文字認識エンジンが、自動的に吹き出し内のセリフを認識し、機械翻訳を行います。
  4. エディタで、翻訳テキストの修正はもちろん、書体の変更や、文字の位置調整、太字・斜体の適用などが可能です。

詳しくはこちらの動画をチェック

Langaku:マンガの世界に語学留学

(引用:https://images.app.goo.gl/L56WqSwusjTgzpFj9)

Langakuは、名作マンガの英語版を使って、自然な口語表現を楽しく学べるアプリです。

同アプリでは、MantraのAI翻訳技術を使って翻訳されたマンガを読むことで、英語の多読学習を行うことができます。

サポート1:あなたにぴったりの英語率

(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000059295.html)

マンガのコマ割りに「英語率」を導入することで、ひとりひとりの英語力に合わせた難易度調整を可能にしました。

ユーザーに合わせた難易度で、ムリなく&楽しく多読が続けられます。

サポート2:辞書&日英切り替えをワンタップで

Langakuなら、コマをタップするだけで気になる言葉を辞書で調べたり、日本語版と比較することができます

そのため、未知の単語や表現に手をとめる必要はありません。

サポート3:読み上げ機能による、聞けるマンガ体験

Langakuなら、読み上げ機能により発音の理解もサポート。

聴きながら読むことで、英語らしい音のリズムも一緒に楽しむことができます。

沿革

Mantraは2020年1月に代表の石渡 祥之佑氏によって創業され、これまでAIマンガ翻訳事業を中心に展開してきました。

同年7月には、マンガの多言語展開を可能にするクラウドサービス「Mantra Engine」をリリースしました。

2022年6月には、マンガ作品で英語の多読学習に取り組めるアプリ「Langaku」をリリースするなど、現在も事業を拡大中です。

資金調達:2024年6月に約7.8億円の資金調達

Mantraは2024年6月に約7.8億円の資金調達を達成しました。

前回ラウンドに引き続き集英社からの追加出資や、今回新たに、株式会社小学館、株式会社KADOKAWA、株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスといった、マンガ・ゲーム領域のリーディングカンパニーからも支援を受けています。

市場規模:コミック市場は2030年に220億米ドルへ

Fortune Business Insightsによる「Asia Pacific Comic Book Market Size」によると、2023年の世界のコミック市場規模は、160億5000万米ドルです。

2030年までに223億7000万ドルに成長すると予測されており、世界中でコミックの人気が高まっていることがわかります。

将来展望

Mantraは今後5年を目処に「エンドユーザーが楽しんで読める」水準を目指し、マンガAI翻訳の精度向上に取り組みます。

さらに並行して小説、ゲーム、動画等への翻訳技術転用を本格化させ、あらゆるエンタメ翻訳の省力化に向け研究開発を推進する予定です。

会社情報

会社名:Mantra株式会社

所在地:〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル 2F

設立年月日: 2020年1月28日

代表:代表取締役 石渡 祥之佑

HP:https://mantra.co.jp/

まとめ

本記事では、マンガに特化したAI翻訳技術の研究開発を行うMantra株式会社 について紹介してきました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

Mantraのように、マンガに特化したローカライズ支援を行う株式会社オレンジについてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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