本記事では、本間毅氏がシリコンバレーを拠点に創業し、経済産業省によるスタートアップ支援プログラムJ-Startupにも選定されているHOMMA Inc.(以下、HOMMAとする)を紹介します。
事業内容:建物の設計段階から最適化したスマートホーム開発
HOMMAはスマートホーム開発を事業としており、上の画像のように、家中に設置されたセンサーが人の動きや時間帯などに反応し、照明が自動で点灯・消灯・調光されます。
HOMMAの事業の特徴は、スマートホームのソフトウェア開発だけでなく、スマートホームに最適化した建物の設計から行なっていることです。建物の設計段階からの開発は、入居者に以下のメリットを与えます。
- 個々のデバイスの設置作業が不要
- 機器間の連携が不要
- 単一のアプリケーションで操作が可能
- 空調や電動シェードの自動制御による電気代の節約が可能
また、垂直統合した開発はセンサーによる様々なデータをを与えるため、データドリブンな住宅・ソフトウェア開発ができることもHOMMAの強みの1つです。
企業沿革
HOMMAは、2016年に本間毅氏が創業した企業です。
2020年には、プロトタイプ住宅建設プロジェクトである「HOMMA ONE」が完成し、販売開始から21日で売却。売却価格は約2億1000万円で、14年ぶりのカリフォルニア州ベニシア市の住宅最高価格更新でした。
2021年には、生活用品製造卸大手のアイリスオーヤマ株式会社と業務提携に合意し、スマートライティングシステムの共同開発に着手しました。
2023年4月には、経済産業省によるスタートアップ支援プログラムJ-Startupに選定され、「新たなグローバルスタートアップを日本から展開する1つのモデルにもなり得る」と評価を受けました。
同年8月には、NTT都市開発株式会社と、そのプロジェクトパートナーである米国Synergyとの実証実験(PoC)を開始しました。
本間氏がシリコンバレーで起業した経緯
学生起業
本間氏は、中央大学在学時にイエルネットという会社を設立し、2001年にはマザーズ上場を目指して準備していました。しかし、インターネットバブルが弾けたことで上場は白紙となり会社を売却。
ソニーに入社し、インターネット事業の戦略部門を担当
その後ソニーに入社しインターネット事業の戦略部門に配属され、動画共有サービス「EyeVio」で実績を残しました。その功績で、アメリカ法人である「ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ」のバイスプレジデントとして2008年に渡米。そこで楽天の三木谷氏に会った縁から2012年に楽天に入社しました。
楽天に入社し、シリコンバレーでビジネスデベロップメントの責任者を担当
楽天での最後の2年は、シリコンバレーでビジネスデベロップメントの責任者を担当し、Uberのトラビス・カラニック氏やイーロン・マスク氏といった名だたる起業家と出会うことで起業家精神が再燃。
HOMMA創業
そんな中、アメリカの住宅が古く、工業化されていないと感じたことで、スマートホームで住宅にイノベーションを起こそうとの思い、HOMMAを創業しました。
スマートホーム市場規模
FORTUNE BUSINESS INISIGHTSによると、世界のスマートホーム市場規模は、2022年に802億1000万米ドルとされ、2023年の939億8000万米ドルから2030年までに3382億8000万米ドルに成長し、予測期間中に20.1%のCAGR(年間平均成長率)を示すと予測されています。
市場規模拡大の要因としては、省エネ志向や5Gなどの高速通信技術の発展によりIoTデバイスがより普及することがあげられます。
会社概要
会社名:HOMMA Inc.
設立:2021年
代表:TAKESHI TED HOMMA
場所:アメリカ カリフォルニア州 シリコンバレー