環境破壊や資源の枯渇、人権問題など、現在世界中で注目されているこれらの課題に目を背け続ければ、企業の未来はどうなるでしょうか？
――今、世界中の企業が直面するのは、利益だけを追求する時代から、持続可能な社会と共存する新たな経済へのシフト。非財務情報を可視化し、企業価値へと転換することで、利益とサステナビリティが融合する世界を実現する。Cierpa ＆ Company, Inc.はそのような社会を目指し、サービスを展開しています。この記事では、その事業内容やビジョン、会社概要について解説していきます。
Cierpa ＆ Company, Inc.とは
Cierpa ＆ Company, Inc.（シェルパ・アンド・カンパニー株式会社、以下シェルパ・アンド・カンパニー）は、本社を東京都品川区に構え、「利益とサステナビリティが融合する世界を実現する。」をビジョンに掲げているスタートアップ企業です。先端テクノロジーとESGの専門知識を用いて非財務情報の可能性を引き出すことによってを企業のESGへの取り組みを促進しています。
・非財務情報とは
非財務情報とは、企業の経営戦略やサステナビリティの取り組みなど、経営成績や財務情報以外の数値で測れない情報のことを指します。日本では2023年度から上場企業に対し開示が義務化されましたが、定義の不明確さや情報の整理の難しさが課題となっています。
シェルパ・アンド・カンパニーは、企業が持続可能な成長を目指しESG（E: Environment、S: Social、ガバナンスG: Governance）に配慮した経営を行うためには、目に見えない非財務情報を可視化し、企業価値として変換する仕組みを創り出すことが必要だと考えています。そこで、主に非財務情報の公開のハードルを下げることによってサステナビリティ経営の確立を支援しています。
事業内容：非財務情報の開示支援
シェルパ・アンド・カンパニーは、主に以下の4つのサービスを展開しています。
- SmartESG ESG経営における様々な課題を解決し、情報収集・開示プロセスを効率化・可視化
- SmartESG KPIコンソリデーション 国内のESGの基準・規制対応に必要な日財務情報を収集・集計し、統合管理
- ESG Journal Japan ESGに特化した国内外の最新情報を紹介しているニュースメディア
- Answer Ease サステナビリティ・ESG評価関連アンケート回答を自動生成
これらのESGに取り組む企業に効率的なプラットフォームやAIを用いたシステムを提供したり、ESGに特化した情報収集を可能にするメディアを運営したりすることによって、「非財務情報のポテンシャルを開放する」というミッションが体現する企業の姿を実現しています。
特徴：AI活用、戦略的支援など
シェルパ・アンド・カンパニーが提供するサービスは多岐にわたりますが、特に注目すべきはAIを活用した業務支援や戦略的コンサルティングです。
企業がESGに関する情報開示を行おうとしたときに、「市場からの評価を高めるためにどんなESG/非財務情報を開示すべきかが分からない」「何が現在の自社スコアの要因なのかが分からない」「多くの質問・評価内容を横断的に把握できない」「どの評価機関が何を重要視しているのかが分からない」といった課題に当たります。
シェルパ・アンド・カンパニーでは、AIによるデータ解析や予測分析を通じて、企業の意思決定をサポートし、効率的かつ正確な運営を実現します。
また、戦略的な支援では、企業ごとの特性や市場環境に応じたカスタマイズ戦略を提供し、企業が直面する課題を解決へと導きます。シェルパ・アンド・カンパニーのアプローチは、単なるコンサルティングにとどまらず、実行可能な戦略を提案し、企業の実現したい目標に向かって具体的なアクションを支援しています。
研究開発：自然言語処理（NLP）
シェルパ・アンド・カンパニーは、サステナビリティ・ESGデータの開発研究も積極的に行っています。
自然言語処理（NLP：Natural Language Processing）
自然言語とは、日本語や英語など、人が生まれながらに使う言葉のことです。具体的には、話し言葉や書き言葉が自然言語に含まれます。
自然言語で記された資料は、文書形態、テキストや言語の形式が多岐にわたり、そのままではコンピュータによる処理が難しい特性を持っています。また、企業や団体のサステナビリティ情報には決まった形式や方法がなく、膨大な量のデータがあるため、データを変換したり加工したりする必要があり、手作業で処理するのは現実的ではありません。
自然言語処理（NLP）とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる技術のことです。近年では、ChatGPTの登場やGoogle検索エンジンの進化により、コンピュータは長文を正確に処理できるようになりました。AIが大量のテキストデータを分析し、人が普段使用する言葉の意味を解析して処理することで、企業が有用な情報を得ることができます。シェルパ・アンド・カンパニーでは、この自然言語処理（NLP：Natural Language Processing）技術を向上させ、サステナビリティ・ESGデータの正確な収集と網羅的な分析の実現を目指しています。
プロダクトへの技術活用
シェルパ・アンド・カンパニーのESG情報開示支援クラウド「SmartESG」にNLP技術を組み合わせ、企業のESG経営を支援。
- 企業のESG情報を自動収集 – 企業の公開情報をデータベース化
- 情報の抽出・分析 – PDFやWebページから必要な情報を解析
- レポート作成 – 競合・業界平均との比較や改善点の特定を容易に
これにより、企業のサステナビリティ情報を効率的に管理し、持続可能な価値創出をサポートします。
革新とテクノロジーの活用：デジタル変革のリーダーとしての役割
シェルパ・アンド・カンパニーは、デジタル変革のリーダーとして、最新のテクノロジーを積極的に活用しています。特に、AI、機械学習、ブロックチェーン技術を活用したソリューションは、企業の業務効率化、リスク管理、データ活用などさまざまな分野で有効に作用しています。これにより、企業は従来の業務フローを革新し、競争力を強化しています。シェルパは、単に技術を提供するのではなく、その導入によってビジネス価値を最大化する方法を企業に提案しています。
資金調達：エクステンションラウンドで1.5億円を調達
シェルパ・アンド・カンパニーは、2023年6月28日に、エクステンションラウンドとして総額1.5憶円を調達しました。引受先をWiLとした今回の資金調達により、創業からの投融資を含む累計調達額は5億円を超えました。
・引受先
＜新規引受先＞
・グローバル・ブレイン（共同リード）
・WiL（共同リード）
・農林中金イノベーション
・三菱UFJキャピタル
・みずほキャピタル
＜既存株主による追加出資＞
・ジェネシアベンチャーズ
・目的
今回の資金調達は、プロダクトの多角化とESG市場でのプレゼンス向上を目指し、採用活動を強化します。特に営業、カスタマーサクセス、開発職の採用を拡大し、組織の成長を加速させます。
また、AI・NLP技術を活用した「SmartESG AI事業部」を新設し、より高度な技術開発を推進。大規模言語モデル（LLM）などの先端技術を取り入れ、「SmartESG」の進化を加速させます。
さらなるデジタル変革とテクノロジー革新に向けた取り組みが鍵となります。AI、IoT、ブロックチェーン技術の進化に伴い、企業の戦略や業務フローも劇的に変化することが予想されます。シェルパ・アンド・カンパニーは、これらの新技術を駆使して、企業が競争優位性を持続できるようサポートを続け、グローバル市場においてもその影響力を拡大していくことを目指しています。未来志向の企業支援を通じて、シェルパ・アンド・カンパニーは世界中の企業の成長を加速し、次世代ビジネスの礎を築くことを目指しています。
会社概要
名称 シェルパ・アンド・カンパニー株式会社 / Cierpa ＆ Company, Inc.
住所 本社 〒140-0013 東京都品川区南大井6-4-22 東京ネオンビル2階
関西拠点 京都オフィス 〒600-8491 京都府京都市下京区鶏鉾町493 ムーンバットビル7階
代表取締役CEO 杉本 淳
設立 2019年9月
資本金 10,000万円
顧問 法律事務所Z
まとめ
本記事では、を提供するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社について紹介してきました。
New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。
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