最終更新日 24/07/24
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【株式会社Synspective】:SAR衛星で社会のニーズをかなえる

宇宙
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株式会社Synspective(以下、Synspectiveと省略)は、SAR衛星と衛星データを用いたソリューションサービスの開発・運用をしている会社です。

衛星で地球を定常的に観測することで、自然災害のリスク削減や持続可能な社会の実現を目指します。

宇宙からのデータとテクノロジーを通じて、より安全で地球環境に適合した世界を創ることが、Synspectiveのミッションです。

沿革:小型SAR衛星の打ち上げ・データ取得に幾度も成功

Synspectiveは、ImPACTプログラムの技術成果を社会的に実装する形で、2018年に新井元行氏により設立されました。

ImPACTプログラムから継承した技術を応用し、小型SAR衛星の打ち上げとデータ取得に3度も成功しています。たとえば、2021年に日本ではじめて、民間の小型SAR衛星(100kg)による画像を取得しました。また、2022年には、初の商用実証機であるSAR衛星「StriX-1」を打ち上げ、データも取得しています。

さらに、Synspectiveは2020年に、初のソリューションサービスであるLDM(地盤変動モニタリング)を発表しました。同年12月にFDA(洪水被害分析ソリューション)を発表するなど、多様なビジネスや業界に適したソリューションの開発・リリースに努めています。

ImPACTプログラムとは:政府の科学技術・イノベーション政策の司令塔を務める総合科学技術・イノベーション会議が、ハイリスク・ハイイベントな研究開発の促進と、持続的なイノベーションシステムの実現を目指したプログラムのこと。https://www8.cao.go.jp/cstp/sentan/about-kakushin.html

SAR衛星とは?:天候や時間帯に関係なく地球を撮影できる

「引用:https://synspective.com/jp/satellite/

SAR衛星とは、天候や時間帯に関係なく、地球上の広範囲を撮影できる観測衛星です。今までの光学カメラを搭載した衛星と異なり、レーダーを用いて撮影するため、雨天時や夜など太陽光がないときでも撮影できます。

その撮影機能を駆使して、SAR衛星は、地球環境や気候変動の理解に大きく貢献してきました。現在、SAR衛星の小型・軽量化が進んだことで、定常的に地上を観測できるよう多く打ち上げられています。

事業概要:衛星コンステレーションの運用とデータ解析ソリューションの開発

「引用:https://synspective.com/jp/

Synspectiveの事業概要は、SAR衛星とそのコンステレーションの開発・運用と、取得データの解析ソリューションの開発・販売です。

同社は、災害対策や気候変動のモニタリング、持続可能なインフラの開発といった、社会や顧客のニーズを反映したSAR衛星の開発に努めています。

また、SAR衛星により得られたデータや画像を用いた、地盤リスクや洪水被害予想などのデータ解析ソリューションも開発してきました。以下で、同社のソリューションについて詳しく説明します。

(衛星)コンステレーションとは:多数の人工衛星から成る一群・システムのこと。

ソリューションサービス①:LDM(地盤変動モニタリング)

「引用:https://synspective.com/jp/solutions/land-displacement/

LDM(地盤変動モニタリング)とは、衛星データから広域の地盤変動をmm単位で解析し、その結果を提供するソリューションサービスです。

開発背景として、広域にわたる土地の沈降や地滑りのリスク把握に、多くの時間と人件費を費やしている現状があげられます。

LDMによって、離れたところから安全に地盤のリスクを把握することが可能です。また、災害時に、人が安全に入れない地域の調査を進めることができます。

ソリューションサービス②:FDA(Flood Damage Assessment)

「引用:https://synspective.com/jp/solutions/flood-damage/

FDAは、洪水被害において、どこでどれほどの被害があるかを迅速に把握するために開発されました。

SAR衛星ならではの気候に左右されない観測技術で、広範囲の地域を対象に、浸水被害の有無や道路・施設への影響範囲を特定します。

また、省庁や自治体への災害情報伝達だけでなく、損害保険会社や金融機関における水害リスク査定に対応している点も最大の特徴です。

合計資金調達額は2024年時点で291億円に到達

「引用:https://startup-db.com/companies/zrkOZa3Uv0RGMaQ6

Synspectiveの合計資金調達額は、2024年時点で291億円を超えています。

同社は、2022年シリーズBラウンドにて、第三者割増投資および融資により総額119億円の資金調達を達成しています。また、2023年には、交付上限額41億円の、経済産業省による中小企業イノベーション創出推進事業テーマBに採択されました。

地下鉄の開発や災害対策などのソリューションサービスを展開し、多くの業界の課題解決を担っているため、同社は今後ますます発展していくでしょう。

2030年に衛星データサービスの世界市場は458億米ドルまで成長

「引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000091008.html

Panorama Data Insightsが2021年に発表したレポートによると、2030年に衛星データサービスの世界市場が458億米ドルまで成長するとされています。

衛星データサービスは、天候や大気の状態を把握し、自然災害への対策にも繋がります。

また、商業衛星画像は環境保全やエネルギー供給、国境監視などさまざまな用途で使われるため、ますます需要が高まっていくでしょう。

将来展望:SAR衛星データで持続可能な社会を目指す

Synspectiveは、地球環境に適合した持続可能な社会を創るために、SAR衛星のコンステレーション拡大やソリューションサービスの更なる展開を目指してきました。

また、複雑化・グローバル化が進む社会の問題を解決するために、多くの人々の知識が蓄積・共有されるような環境の整備にも努めています。

宇宙開発や国家間の問題が進む現在、Synspectiveはさらなる発展をとげるでしょう。

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