
今回紹介する株式会社バカン(以下、バカン)は、リアルタイムで混雑情報を可視化し、施設運営や顧客体験を革新する技術を提供する企業です。「いま空いているか1秒でわかる、優しい世界をつくる。」をミッションに掲げ、センサーやカメラなどで 人やモノの混雑・空きデータを取得・解析して社会課題を解決する、様々なソリューションの開発、提供を行っています。
本記事ではその事業内容や資金調達について紹介していきます。
事業内容:混雑情報を知れるサービス「VACAN」

バカンが提供するのは、AIを活用したリアルタイム「空き状況」プラットフォーム「VACAN」を中心としたサービスです。バカン全体では、リアルタイムな混雑状況の可視化技術を活用し、公共・交通分野を中心にサービスを展開しています。ホテルや旅館、商業施設、飲食店、トイレなど導入事例は多岐にわたり、あらゆる場面で混雑状況の緩和に貢献しています。具体的なサービスは以下の通りです。
1. 混雑情報可視化サービス「VACAN AIS」
2. トイレのリアルタイム情報「VACAN Throne & AirKnock」
3. 行列整理デジタルシステム「VACAN Qticket」
4. 混雑状況表示「VACANMaps」
5. 自動で混雑管理「VACANAutoKeeps」
6.集客支援ツール「tamitami」
7. 新しい広告メディア「UNVEIL」
1. 混雑情報可視化サービス「VACAN AIS」

バカンの代表的なサービスは、AIカメラを活用して混雑情報をリアルタイムで可視化する「VACAN AIS」です。この技術により、施設内でどのエリアが混雑しているかを瞬時に把握することができ、顧客は事前に混雑状況を知った上で、時間帯や訪れるエリアを選ぶことが可能となります。特に、ホテルや飲食店、公共交通機関などで顧客が快適に過ごせるよう、混雑状況を管理することは、利用者にとって大きな価値を提供します。
2. トイレのリアルタイム情報「VACAN Throne & AirKnock」

また特に注目を集めているのが、トイレの混雑状況を可視化する「VACAN Throne & AirKnock」というシステムです。このシステムは、トイレの空き状況をリアルタイムで管理し、スマートフォンや施設内のモニターでその情報を提供します。これにより、施設内のトイレを利用する際のストレスや待機時間を減少させ、訪れる顧客の利便性を高めています。特に、大型ショッピングモールやテーマパークなど、多くの人々が集まる施設において有効で、混雑時のフラストレーションを減らし、より快適な利用を実現します。
3. 行列整理デジタルシステム「VACAN Qticket」

バカンが提供する「VACAN Qticket」は、デジタル整理券システムです。これは、従来の紙の整理券の代わりに、スマートフォンで発券された整理券を利用する仕組みです。このシステムにより、顧客は物理的な行列に並ぶことなく、整理券をデジタルで取得し、順番が来るのを待つことができます。これにより、従来の無駄な待機時間や混雑を大幅に削減し、施設の利用効率を大きく向上させます。
4.混雑状況表示「VACANMaps」

新たに提供される「VACANMaps」は、施設内のリアルタイムな混雑状況を地図で表示するサービスです。これにより、施設内での混雑しているエリアや空いているエリアを視覚的に把握することができます。施設利用者は、どのエリアに行けばスムーズに移動できるのかを事前に確認でき、混雑を避けて快適に施設を利用することが可能です。特に、大型のショッピングモールやイベント会場など、広範囲な施設での活用が期待されています。
5. 自動で混雑管理「VACAN AutoKeeps」

「VACAN AutoKeeps」は、施設内での混雑状況を自動で管理し、予測に基づいてスタッフの配置や施設の利用案内を最適化するシステムです。このシステムは、AIによる解析を基に、混雑が予想される時間帯やエリアに合わせて、スタッフの配置や必要な対応をリアルタイムで調整します。これにより、施設の運営効率が向上し、訪れる顧客にとっては快適な体験を提供することができます。
6. 集客支援ツール「tami tami」

「tami tami」は、施設やイベントの集客をサポートするツールです。このツールは、顧客の利用傾向や行動データを元に、最適な集客戦略を提案するものです。また、特定の時間帯に混雑が予想される場合には、顧客に対して混雑を避けるための時間帯を提案するなど、利用者と施設双方にとって有益な情報を提供します。このサービスにより、施設の効率的な運営と顧客体験の向上が可能になります。
7. 新しい広告メディア「UNVEIL」

バカンは、従来の広告手段にとどまらず、施設内での新しい広告メディア「UNVEIL」の展開にも力を入れています。このサービスは、商業施設内のトイレに設置された広告メディアで、ターゲットに合わせた広告を掲示することができる新しい形態の広告です。特に、男女別のターゲティングが可能であり、広告主にとってはより精度の高いアプローチができます。商業施設などでは、訪れる人々がトイレを使用する際に広告を目にするため、視認性が高く、効率的な広告が可能となります。
資金調達:第三者割当増資による資金調達を実施

バカンは、2024年2月9日、第三者割当増資による資金調達を実施しました。なお本資金調達の具体的な金額は明らかにされていません。バカンは今回の資金調達を経て、さらなるサービスの導入加速と顧客体験の向上を目指し、投資を強めています。また、今回出資した各社と連携することで、観光や宿泊、商業などの領域における混雑や待ちの課題を解決する「待つをなくす」プラットフォームの構築を目指し、事業の展開を加速させると発表しています。概要は以下の通りです。
【本資金調達概要】
<調達方法>
- 第三者割当増資
<引受先>
- 米ペガサス・テック・ベンチャーズが運用する株式会社ジャパネットホールディングスのCVCファンド
- 株式会社ウイング・キャピタル・パートナーズ、
- 山梨中銀SDGs投資事業有限責任組
将来展望:混雑解消を経て、社会の効率化を目指す
バカンは将来の展望について、
混雑解消は単なる利便性の向上にとどまらず、安全性の確保や社会全体の効率化にも大きく寄与します。バカンが掲げる「待つをなくす」というビジョンは、人々の時間的ストレスを軽減し、より豊かな日常生活を実現するための重要な取り組みです。
今後も進化を続けるAI技術と、VACANのような革新的サービスが融合することで、これまでにない新しい施設運営モデルが生まれることでしょう。混雑のない、スムーズで安全な社会の実現に向けて、VACANは技術革新とサービス拡充を続けていきます。
と述べており、今後もさらに事業を拡大してサービスを展開していくことが期待されます。
企業概要
- 企業名:株式会社バカン
- 代表者:河野 剛進
- 設立:2016年6月8日
- 所在地: 〒102-0083 東京都千代田区麹町2-5-1 半蔵門PREX South 3F
- 公式HP:https://corp.vacan.com/
まとめ
本記事では、株式会社バカンについて紹介しました。
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