日本ではデジタル化が推進されていますが、一方でDX人材の育成が企業や教育機関にとって重要な課題となっています。その中で注目を集めるのが、教育の現場で革新的なサービスを提供する「ライフイズテック株式会社」(以下、ライフイズテック)です。
中高生を中心に、IT・プログラミング教育やDX研修を展開し、幅広い世代にデジタルスキルの習得を促進している同社の取り組みは、多くの教育現場や企業に新たな価値を提供しています。
本記事では、ライフイズテックが提供する教育サービスの詳細や、成長の背景、今後の展望について深掘りします。同社がどのようにして日本のDX推進を支え、新たな未来を切り拓いているのか、その魅力を探っていきます。
事業内容:中高生を中心にDX教育サービスを提供
ライフイズテックは、中高生を中心にデジタル人材の育成を目的としたDX教育サービスを展開しています。主力事業の1つであるクラウド型情報学習教材「Life is Tech! Lesson」は全国4400校以上で採用されており、その規模は日本最大級です。また、同社はこれまでに培ったノウハウを活かし、オンライン学習教材や企業向けDX研修サービスへ事業を拡大してきました。
このように、中学生や高校生だけでなく、大学生や社会人まで一気通貫でDX教育サービスを展開している点が、ライフイズテックの大きな特徴です。
【ライフイズテックの事業概要】
- 中高生向けIT・プログラミング教育キャンプ/スクール/イベントの企画・運営
- オンラインプログラミング・情報教育サービスの開発・運営
- 自治体・学校・法人向け研修事業の企画・運営
事業①「Life is Tech! Lesson」学校/塾/企業/自治体向けクラウド型学習教材
「Life is Tech! Lesson」は、中高生向けのクラウド型情報学習教材です。この教材は、1人1人の理解度や進捗に応じて個別最適な学びを提供することで、より効率的かつ効果的な学習を実現します。また、プログラミング教育の経験がない教員でも、簡単に導入できるよう工夫されています。
現在、この教材は全国4400校以上の学校に採用され、年間約135万人もの中高生が利用しており、その規模は日本最大級です。
さらに、ライフイズテックはこの教材で培ったノウハウをもとに、教育分野を超えた幅広いサービス展開を行っています。具体的には、学校教員向けの研修プログラム、塾向けSaaS型教材の提供、そして自治体と連携したDX人材育成事業など、多岐にわたる分野でその価値を発揮しています。
事業②「DX Readiness 研修」企業向けDX人材育成サービス
「DX Readiness 研修シリーズ」は、企業のDX推進を担う人材を育成するサービスです。この研修では、従業員のリテラシーや意欲に関わらず、双方向かつ実践的なプログラムを通じて新卒から経営層までを対象に行います。
組織全体でデジタル課題を解決できる人材の育成を目指し、デジタル活用が当たり前となる組織文化の構築を支援します。
事業③「Life is Tech! Camp(School)」中高生向けDX教育サービス
「Life is Tech! Camp」は、中高生が短期間でプログラミングやAI、デジタルアートを学ぶ短期集中型プログラムです。一方、「Life is Tech! School」は通学形式でITスキルを習得できる長期学習サービスです。
2025年から大学入学共通テストにプログラミングやデータサイエンス分野の「情報」が導入されることもあり、同プログラムの需要が増加しています。
事業④「Life is Tech! Leaders」大学生向けメンタープログラム
「Life is Tech! Leaders」は、「Life is Tech! Camp」や「School」において、中高生の学びをサポートする新人メンターを育成するための大学生向けプログラムです。約3か月間の研修を通じて、大学生がメンターとして必要な知識やスキルを身につけることを目指します。
この研修では、プログラミングやAI、デザインといった専門スキルだけでなく、コミュニケーション力やタスクマネジメント能力も学べます。そのため、大学生は中高生を導くメンターとして、ハードスキルだけでなく、ソフトスキルも磨くことが可能です。
また、「Life is Tech! Leaders」は大学生にとってもキャリア形成の一助となる魅力的な機会でしょう。実際にプログラムを通じて、学外でのコミュニティを形成したり、就職活動において強みとなる「ガクチカ」を用意したりすることができます。
資金調達:シリーズEラウンドにて20億円を調達
2024年12月18日、ライフイズテックはシリーズEラウンドとして、政府系ファンド「JIC VGI」から20億円の資金調達を実施したと発表しました。
今回の調達額20億円の内訳は、第三者割当増資による新規調達額が10億円、既存株主からの株式譲渡(セカンダリー取引)による額が10億円です。これにより、同社の累計資金調達額は約67億円に達しました。
調達資金は、既存事業の拡大、新規事業の開発、人材採用および育成に充てられる予定です。
資金調達の背景:日本のデジタル人材育成の課題に対応
「課題先進国」とも言われる日本では、さまざまな社会課題が山積しており、デジタル人材の育成はその中でも解決が急務とされる重要課題の1つです。しかし、これまで大きな打開策が見出されていない現状があります。
ライフイズテックは、この課題に応えるべく事業を展開してきました。同社は中高生向けのITキャンプやクラウド教材を提供するだけでなく、企業のDXを支える社会人向け研修や、自治体と連携して地域のDX推進人材を育成する「DX人材育成エコシステム」の構築にも取り組んでいます。
特に注目すべきは、学校向けクラウド教材「Life is Tech ! Lesson」の成功です。本教材は全国4400校・600自治体で導入され、年間利用者は135万人に達しています。同教材はライフイズテックの全体売上の50%を占めるまでに成長し、主要な収益源となっています。また、同社の総受益者数は、2018年から2023年の5年間で38倍に急増しました。
今後の展望:一気通貫のデジタル人材育成体制を強化
今回の資金調達により、ライフイズテックは中高生から社会人に至るまで、一気通貫のデジタル人材育成体制をさらに拡大していくとしています。同社は、デジタルを活用した教育改革を推進し、より多くのデジタル人材の育成に貢献することで、日本全体のデジタル社会の進展を後押しする方針です。
市場規模:DX人材関連サービス市場は2022年に約1.2兆円を記録
矢野経済研究所の調査によると、2022年度のデジタル人材関連サービス市場(デジタル人材育成・研修サービス、デジタル人材派遣サービス、デジタル人材紹介サービスを含む3市場の合計)は、1兆1754億円に達したと推計されています。この市場規模は、日本のDX推進やデジタル化の進展を象徴するデータと言えるでしょう。
市場拡大の背景:DX推進によるデジタル人材需要の拡大
近年、企業のDX推進やデジタライゼーションへの意識が高まる中で、IT・デジタル技術を有する人材への需要は急増しています。特に、既存社員のリスキリング(再教育)を目的とした人材育成の需要が高まる一方で、IT・デジタル人材の確保や採用をアウトソースするニーズも拡大しているそうです。また、IT技術者派遣の活用が進んでおり、こうした需要が市場全体の成長を支えています。
2023年度以降も順調に成長する見込み
矢野経済研究所によると、デジタル人材関連サービス市場は、2023年に1兆2720億円に、2024年には1兆3555億円まで成長する見込みです。
この成長の背景には、企業のDX推進に伴うIT・デジタル人材の需給ギャップの拡大があります。IT・デジタル領域におけるリスキリングや研修の需要は引き続き高水準にあり、企業は採用や人材活用のアウトソーシングにより人材不足への対応を図るでしょう。
また、生成AIなど新しいデジタル技術の登場と普及が、市場成長の新たな要因となっています。これにより、新たなスキルに関する教育・研修需要が生まれると同時に、これら技術を活用できる人材の採用・派遣ニーズも一層増加することが予想されます。
企業概要
- 企業名:ライフイズテック株式会社(英語表記 : Life is Tech, Inc.)
- 代表者:代表取締役 CEO 水野 雄介
- 設立:2010年7月6日
- 所在地: 〒106-0047 東京都港区南麻布2-12-3 南麻布ビル1F
- 公式HP:https://life-is-tech.com/
まとめ
本記事では、教育の現場で革新的なサービスを提供するライフイズテック株式会社について紹介しました。
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