最終更新日 24/11/16
国内スタートアップ

【シェアダイン】国内最大級のシェフプラットフォームを展開する注目のスタートアップ

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(引用:シェアダイン公式HP)

今回紹介するスタートアップは、国内最大級のシェフプラットフォームを提供する「株式会社シェアダイン」(以下、シェアダイン)です。同社は「子どもの偏食をどうにかしたい」という育児の悩みから創業され、家庭向け出張シェフサービス「シェアダイン」を中心に、さまざまなサービスを提供しています。

2024年10月に新サービス「CHEFLINK(シェフリンク)」をリリースし、2024年11月にはシリーズBファーストクローズにて18億円の資金調達を発表するなど、飛躍的な成長を遂げるシェアダイン。

本記事では、今注目のシェアダインについて、その事業内容や資金調達の動向、創業の背景をくわしくご紹介します。

事業内容:家庭向け出張シェフサービス「シェアダイン」

(引用:シェアダイン)

シェアダインは家庭向けおよび飲食事業者向けに、日本最大級(1万人)のリレーションを活かした料理人のマッチングプラットフォームを展開しています。

<シェアダインの主なサービス>

  • 家庭向け出張シェフサービス「シェアダイン」
  • 飲食事業者向けシェフマッチングサービス「スポットシェフ」
  • 料理人専用キャリアサポートSNS「CHEFLINK(シェフリンク)」
  • 国内飲食事業者の海外進出支援採用サービス「Chefjob.jp」

同社の代表的なサービスである「シェアダイン」は、栄養士や調理師などの専門資格を持ったシェフが、ライフステージや悩みに合わせてパーソナライズした料理を自宅で作ってくれる出張シェフサービスです。現在、出張シェフとして8000人以上が登録しており、日本最大級の出張シェフサービスを誇ります。

<「シェアダイン」の特徴>

  • 幅広いニーズに対応
    • 産前産後の栄養管理や離乳食の準備、筋トレやボディメイクに最適なメニュー、生活習慣病予防のための健康食など、利用者のライフステージや健康課題に寄り添ったサービスを提供。
  • 特別な日の料理にも対応
    • 行事食やパーティ用のコース料理など、特別な日のおもてなし料理にも対応可能
  • 充実のサービス内容
    • 1回の利用は1時間から可能で、献立の提案、食材の買い出し、12品前後の料理の調理までをシェフが対応。

飲食事業者向けシェフマッチングサービス「スポットシェフ」

(引用:PR Times)

「スポットシェフ」は、シェアダインが提供する飲食店向けのシェフマッチングサービスです。このサービスを利用すれば、必要なタイミングで即戦力の料理人を手配でき、飲食事業者が直面する人材不足やコストの課題を効果的に解決することが可能です。

具体的には、「スポットシェフ」は1回最短3時間から利用可能で、必要な時にスポットで即戦力の調理スタッフを手配することができます。このサービスを活用することで、機会損失を防ぎながら売上の増加を目指せるうえ、採用コストや固定費としての人件費も削減することが可能です。

<スポットシェフの特徴>

  1. 必要なタイミングで即戦力のシェフを手配
    • 必要な時間帯や状況に合わせて、即戦力となる調理スタッフを手配可能
  2. 臨時休業の回避による売上の増加
    • 人手不足による臨時休業を防ぐことで、機会損失を減らし、売上アップを実現
  3. 人件費や採用コストの削減
    • スポット利用により、固定費としての人件費を最適化し、採用活動にかかるコストを削減
  4. 迅速で簡単なマッチング
    • サービスの利用手続きは非常に簡単で、最短15秒でシェフとのマッチングが完了
  5. 明確な手数料設定
    • サービス利用手数料は18%から最大30%で、透明性を確保
(引用:PR Times)

料理人専用キャリアサポートSNS「CHEFLINK」

(引用:PR Times)

シェアダインは2024年10月、料理人がネットワークを広げたりスキルアップを目指したりするための場として、料理人専用キャリアサポートSNS「CHEFLINK(シェフリンク)」の提供を開始しました。

この「CHEFLINK」は、特にフリーランスや副業で活動する料理人を支援するために設計されたサービスです。料理人は、いくつかの経歴情報を入力するだけで利用を始めることができ、アプリ上で求人情報の閲覧や応募、仕事の管理を簡単に行うことができます。また、AI機能が搭載されており、利用者のスキルや実績を効果的にアピールできる魅力的なプロフィール文を自動で作成します。

さらに、このプラットフォームにはSNS機能が組み込まれており、他の料理人とつながることが可能です。これにより、ジャンルや年齢を超えた交流が可能となり、新たなビジネスチャンスの創出やキャリアの幅を広げる機会を提供します。

飲食業界はコロナ禍を経てインバウンド需要が盛り上がる中、深刻な人手不足に直面。従来、料理人のキャリアゴールとして一般的だった「自分のお店を持つ」という道だけでなく、近年ではフリーランスや副業といった柔軟な働き方を選択する人が増加しています。しかし、このような新しい働き方を支援する仕組みはまだ十分に整備されていません。

そこで、CHEFLINKは、料理人が自分に合った働き方を選びながらキャリアを形成できる環境を提供し、料理人1人1人が未来の可能性を広げられるようサポートしています。

国内飲食事業者の海外進出支援採用サービス「Chefjob.jp」

(引用:PR Times)

シェフダインは2024年5月、国内飲食事業者の海外進出や拠点拡大における課題をサポートするため、調理分野に特化した人材採用支援サービス「Chefjob.jp」を開始しました。

この「Chefjob.jp」は海外展開を目指す飲食事業者と、海外での仕事を希望する料理人をつなぐマッチングプラットフォームです。登録している料理人は8000名以上で、国内最大級の料理人ネットワークを活用して即戦力となるシェフを採用できます。

<Chefjob.jpの魅力>

  1. 経験豊富でモチベーションの高いシェフを即採用可能
    • Chefjob.jpでは、シェアダインが運営する「スポットシェフ」や「シェアダイン」のプラットフォームに登録している8000名以上のフリーランスシェフへ求人情報を提示できます。必要なスキルを備えた人材を迅速に採用できる点が大きな特徴です。
  2. シェフのスキルや対人評価を事前に確認可能
    • Chefjob.jpでは、登録シェフの活躍履歴や評価を参照することができます。これには、過去の業務実績や、飲食店や利用者からの評価が含まれています。これにより、面談や面接だけでは把握しにくいスキルや対人評価を総合的に判断し、最適な人材を選ぶことができます。
  3. 初期費用や月額固定費が不要
    • Chefjob.jpは成果報酬型の料金体系を採用しています。初期費用や月額固定費は一切かからず、採用が決まった場合にのみ費用が発生するため、採用活動のコストを効率的に抑えることが可能です。

国内では、飲食店をはじめ、ホテルや宿泊施設、ブライダル企業など多くの企業で利用されています。Chefjob.jpは、グローバルな視点で飲食業界の人材不足という課題に応える新しいサービスとして、今後さらに成長が期待されています。

(引用:PR Times)

資金調達:シリーズBファーストクローズにて18億円を調達

(引用:PR Times)

シェアダインは2024年11月13日、シリーズBのファーストクローズとして、第三者割当増資と金融機関からの融資により、18億円を超える資金を調達したと発表しました。なお、今回の資金調達には、以下の企業や金融機関が参加しています。

また、今後もセカンドクローズに向けた資金調達活動を継続する予定です。

<第三者割当増資の引受先(敬称略)>

  • JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社
  • DBJキャピタル株式会社
  • あおぞら企業投資株式会社

<融資の借入先(敬称略)>

  • 株式会社UPSIDER Capital
  • あおぞら企業投資株式会社
  • 株式会社静岡銀行
  • 株式会社みずほ銀行
  • 株式会社東日本銀行

シェアダインは、調達した資金を活用して、自社のサービス強化と事業拡大を進めるとしています。具体的には、シェフのキャリア形成を支援するプラットフォームとしての発展を目指し、新サービス「CHEFLINK(シェフリンク)」をはじめとするサービス開発を加速させる予定です。また、営業・マーケティング部門や管理部門の強化にも注力し、組織全体で事業成長をさらに加速させようとしています。

創業の経緯:「子どもの偏食をどうにかしたい」という悩み

(引用:Awarefy)

シェアダインは、「ただの時短・家事のアウトソーシング」ではなく、「子どもの偏食をどうにかしたい」「家庭の食卓をもっと豊かにしたい」という創業者たちの切実な想いから誕生しました。

共同創業者の1人、井出有希(いで ゆき)氏は、もともと証券会社やコンサルティングファームでキャリアを積んでいました。しかし、ボストンコンサルティンググループ在籍中に妊娠・出産を経験し、働きながら子育てをする中で「子どもの偏食」や「毎日の食事準備」の難しさに直面します。特に長男が極端な偏食で、ハンバーグやミートボールすら食べないことに悩み、毎日「子どもが絶対に食べてくれるもの」だけを用意する状況に、もどかしさを感じていました。

一方、もう1人の共同創業者である飯田陽狩(いいだ ひかり)氏も、離乳食をなかなか食べてくれない子どもに苦労していました。仕事と子育ての両立に苦戦しながら、お互いに悩みを共有していく中で、「同じような問題を抱える家庭は多いはずだ」ということに気づきます。

そして、「家庭の食に課題を感じている親たち」と「料理の専門家」をマッチングし、食のプロに相談したり、家庭に合った料理を作ってもらえたりする仕組みがあれば、多くの人の助けになるのではないかというアイデアが生まれました。このアイデアをもとに立ち上げられたのが「シェアダイン」です。

創業者プロフィール

(引用:シェアダイン公式HP)

シェアダインの共同代表/共同創業者である井出 有希(いで ゆき)氏は、2000年に新卒でゴールドマン・サックス証券に入社しました。同社では9年間にわたり株式アナリストとして活躍。その後、2009年にアライアンス・バーンスタインへ転職しましたが、2012年にチームの解散を経験します。その後、ボストンコンサルティンググループに転職し、さらにキャリアを積んだ後、2017年に同僚であった飯田陽狩さんとともに株式会社シェアダインを設立しました。

シェアダインのもう1人の共同代表/共同創業者である飯田 陽狩(いいだ ひかり)氏は、証券会社を経た後、2011年からボストンコンサルティンググループにてシニアアナリストとして勤務。特に金融セクターにおける国内外の金融機関のデジタル化推進に注力しました。その後、2017年5月に井出 有希氏とともに株式会社シェアダインを共同創業し、現在は代表取締役を務めています。

企業概要

  • 企業名:株式会社シェアダイン
  • 代表者:飯田陽狩 井出有希
  • 設立:2017年5月
  • 所在地: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー 23F
  • 公式HP:https://recruit.sharedine.me/

まとめ

本記事では、国内最大級のシェフプラットフォームを提供する株式会社シェアダインについて紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

株式会社シェアダインのように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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