
「専属AIモデルが、撮影なしでブランドの顔になる。」そんな未来が、すでに現実のものとなりつつあります。
AI model株式会社は、独自に開発した生成AI技術を活用し、企業ごとのニーズに応じたバーチャルなモデルやタレントを生成するスタートアップです。広告やEC、販促領域におけるビジュアル制作の在り方を大きく変えるサービスを展開しています。
伊藤園や三越伊勢丹、しまむらといった大手企業でもすでに導入が進んでおり、AIモデルの活用は、コスト削減やリスク回避といった利点にとどまりません。顧客体験の向上や、ブランド表現の新たな可能性としても注目を集めています。
本記事では、AI modelの事業内容や資金調達の動向を整理しながら、生成AIが拓く次世代のプロモーションの姿をわかりやすくご紹介します。
事業内容:AI生成モデルで広告・販促の効率化とブランディングを支援

AI model株式会社は、独自に開発した生成AI技術を活用して、企業専属のファッションモデルやタレント(=AIモデル)を生み出し、広告やプロモーション分野に提供するスタートアップです。
実在の人物を起用せずに、高品質なビジュアルコンテンツを短期間・低コストで制作できるサービスとして注目されており、伊藤園や三越伊勢丹、しまむらなど多数の企業で採用実績を持ちます。
撮影業務やモデルキャスティングといった煩雑なプロセスを省略しつつ、各社のブランド戦略に即した効果的なマーケティングを展開できる点が支持を集める理由です。
専属AIモデルを用いた広告・販促コンテンツの生成

AI modelの中核事業は、企業のニーズに応じて専属のAIファッションモデルやAIタレントを生成し、それらを広告・販促活動に活用することです。たとえば、AIモデルが商品を着用している画像を制作すれば、TVCMやECサイト、SNSキャンペーン、カタログ、店頭ポスターなど、あらゆる媒体で展開できます。
同社のサービスは、商品の画像さえあれば、AIモデルが着用しているように見えるビジュアルを制作できるため、従来必要だった撮影やスタジオの手配といった工程を省略可能です。特にEC分野では、「ささげ画像(撮影・採寸・原稿)」の制作効率が大きく向上することから、小売・アパレル業界を中心に好評を得ています。
さらに、同社が提供する「VIRTUAL DRESSING(仮想試着)」機能を活用すれば、ユーザーはAIモデルを通じて商品の着用感を直感的に確認できるようになります。オンラインであってもリアル店舗に近い購買体験を実現できる点が、多くの企業から注目されているポイントです。
AIモデルならではのコスト削減とリスク回避効果

AI modelのサービスが注目を集めている大きな理由の1つが、AIモデルを活用することで得られるコスト面・リスク面での優位性です。
まず、AIモデルは実在の人物ではないため、スキャンダルや不祥事によるブランド毀損リスクがありません。これにより、企業は想定外のトラブルを恐れることなく、安心してプロモーションを展開できます。
また、AIによるビジュアル生成は制作期間が短く、コストも抑えられるため、スピード感のあるキャンペーン展開や定期的なクリエイティブ更新が実施しやすいです。さらに、スタイリング提案機能も搭載されており、顧客の趣味嗜好や購入履歴に応じてコーディネートを自動で提案することができます。
こうした機能は、販売現場での接客体験の質を高めると同時に、顧客との関係性を深める手段にもなるでしょう。
高いマーケティング効果と業界横断的な展開力
AI modelのサービスを導入した企業では、具体的な数値として成果が表れています。たとえば、ある導入企業ではクリック率(CTR)が最大418%向上し、売上は最大で380%増加、平均ページ滞在時間は140%伸び、ページ離脱率は最大82%も改善されたとの報告があります。
加えて、AI modelは広告代理店や制作会社、芸能プロダクションといったパートナー企業との共創を通じて、ファッション・小売業界にとどまらない事業展開を進めています。すでにエンタメや出版、医療など異業種への応用が始まっており、今後の成長余地は非常に大きいといえるでしょう。
少子高齢化や人材不足、DX推進といった社会課題を背景に、同社のサービスは「次の時代のプロモーション手法」として、多くの企業から期待を集めています。
資金調達:大手事業会社やVCから出資を受け、生成AIによる業界共創を推進

AI model株式会社は、2024年から2025年にかけて複数の企業やベンチャーキャピタルからの出資を受け、生成AI技術の事業展開を進めています。
2024年10月30日には、以下の企業を引受先とする第三者割当増資(シリーズAラウンド)を実施しました。調達額は公表されていません。
- SBIインベストメント株式会社
- 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (グローバル・ブレイン株式会社と共同で「Canon Marketing Japan MIRAI Fund」を運営)
- 三越伊勢丹イノベーションズ
- サザビーリーグ
- 三菱UFJキャピタル株式会社
その後の2025年3月19日には、株式会社新東通信がAI modelへの出資を発表しました。出資額や出資比率などの詳細は明らかになっていません。
AI modelはシリーズAの発表時に、今後の事業戦略についても言及しています。独自の生成AI技術を活用したソリューション開発を加速し、関連業界との共創によって生成AIの社会実装を推進していく方針です。具体的には、AIモデルの導入や運用を進める企業だけでなく、広告代理店、EC支援企業、撮影・制作会社、モデル事務所、芸能プロダクションなどとの連携を強化し、業界全体の発展を目指すとしています。
これらの出資は、同社が掲げる共創型の生成AIビジネスに対して、多方面からの期待が寄せられていることを示しているでしょう。
企業概要
- 企業名:AI model株式会社
- 代表者:CEO 谷口 大季
- 設立:2020年8月
- 所在地: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門二丁目2番1号 住友不動産虎ノ門タワー13階
- 公式HP:https://ai-model.jp/
まとめ
本記事では、専属AIモデルを用いた広告・販促コンテンツの生成を行うAI model株式会社について紹介しました。
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AI model株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。