最終更新日 25/02/26
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「カイテク」が変える介護・看護の働き方!単発バイト×シフト管理で業界の未来を支える

IT医療
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(引用:Wantedly|カイテク)

介護・看護業界では、慢性的な人材不足が深刻な課題となっています。特に、突発的な人手不足への対応や、シフト作成・管理の負担は、現場の大きな悩みの種です。

そんな中、カイテク株式会社(以下、カイテク)が提供する「カイテク」は、単発バイトマッチングとシフト管理の両面から、業界の働き方を大きく変えようとしています。

有資格者が1日単位で柔軟に働ける「カイテク」と、煩雑なシフト作成を効率化する「カイテクシフト」により、介護・看護職の働きやすさを向上させると同時に、施設側の運営負担も大幅に軽減できる点が同社の強みです。

本記事では、カイテクのサービス内容や導入メリット、業界の最新動向について詳しく解説します。

事業内容:介護・看護単発バイト「カイテク」

介護・看護単発バイト「カイテク」(引用:カイテク公式HP)

カイテク株式会社が提供する「カイテク」は、介護・看護分野に特化した単発バイトマッチングサービスです。介護職や看護職の有資格者が、1日または数時間単位で働ける仕事を探し、すぐに申し込める仕組みを提供しており、介護事業所の急な人手不足に対応できる画期的なサービスとなっています。

介護・看護業界の人材不足を解決するマッチングプラットフォーム

(引用:カイテク公式HP)

日本では高齢化が進み、介護サービスの需要が急増しています。しかし、それに伴う人材不足が深刻な社会問題となっており、2025年度末までに約40万人の介護人材が不足する予測です。

この課題に対応するため、カイテクは資格を持つ介護・看護ワーカーと、即戦力を求める介護事業所を効率的にマッチングするプラットフォームを提供しています。

カイテクの最大の特長は、ワーカーと事業所の双方にとって利便性が高い点です。有資格者は、アプリやWEB上で簡単に仕事を探し、条件に合うものがあればその場で申し込むことができます。一方、介護事業所は、突発的な人手不足にも迅速に対応できるほか、慢性的な人材不足の解消にもつながる仕組みとなっています。

カイテクの仕組みと利用の流れ

「カイテク」は、仕事探しから給与受取までを一元化し、スムーズな雇用プロセスを実現しています。具体的には、以下の流れで利用が可能です。

  1. 登録:有資格者が個人情報と資格情報を登録、審査を通過すれば利用可能
  2. 仕事検索・応募:条件に合う求人を検索し、希望する仕事に応募
  3. 出勤・勤務:指定された職場で勤務
  4. 退勤・評価:勤務終了後QRコードから退勤処理を行い、事業所との相互評価を実施
  5. 給与受取:給与は最短当日に振込

この仕組みにより、ワーカーは自由度の高い働き方を実現し、介護事業所は必要なときに必要な人材を確保することができます。

介護事業所が「カイテク」を導入するメリット

介護事業所にとっても、「カイテク」の導入は多くのメリットをもたらします。

  1. コストを抑えて人材を確保
    1. 初期費用0円で導入可能
    2. 実際に勤務するまで費用が発生しないため、無駄なコストを削減可能
  2. マッチング機能による即戦力の確保
    1. 1日や数時間単位で人材を確保でき、突発的な人手不足にも迅速に対応
  3. 資格認証と評価制度でサービス品質を維持
    1. 介護業務の専門性を考慮し、資格認証機能を導入
    2. 勤務後の相互評価により、サービスの品質を向上
  4. お試し雇用としての活用
    1. ワーカーの働きぶりを確認してから正式採用を検討することが可能

「カイテク」は、介護・看護業界の人材不足を解決するための有効な手段として、今後さらなる普及が期待されています。

新サービス:介護施設向けシフト作成・管理サービス「カイテクシフト」

介護施設・医療機関向けシフト作成・管理サービス「カイテクシフト」(引用:カイテク公式HP)

「カイテクシフト」は、介護施設や医療機関向けのシフト作成・管理を効率化するサービスです。従来のシフト作成に伴う煩雑な業務を削減し、よりスムーズな人員配置を実現することで、介護・医療現場の負担軽減と業務の最適化を目指しています。

シフト作成の負担を軽減する革新的な機能

介護施設や医療機関ではシフト作成が煩雑な業務の1つとなっており、希望休の管理や人員配置の調整、欠員補充など、多くの手間がかかるため、業務負担が大きくなりがちです。「カイテクシフト」は、こうした課題を解決するために開発されました。

主な機能として、以下の点が挙げられます。

  • 直感的な操作でシフト作成が可能
    • Excelのような操作感で作成でき、特別な学習が不要
  • 希望休の自動転記機能
    • 職員が提出した希望休の情報を自動転記し、入力ミスを防止
  • 行政提出用書類の作成支援
    • 勤務形態一覧表などを自動生成し、報告業務の負担を軽減
  • 「カイテク」との連携による人材補充
    • 急な欠員が出た場合に、カイテクワーカーを迅速に手配可能

「カイテクシフト」の導入効果

「カイテクシフト」を導入した介護施設では、以下のような効果が確認されています。

  • シフト作成期間が11日→5日に短縮
  • ワーカー募集作業時間が100分→1分に削減
  • マッチング管理・情報共有時間が600分→0分に短縮

これにより、施設管理者の業務負担を大幅に軽減し、現場の職員もスムーズにシフト情報を確認できるようになりました。

「カイテクシフト」は無料で導入可能

カイテクシフト」は、初期費用・月額費用ともに無料で提供されています。そのため、コストをかけずに導入でき、どの施設でも気軽に利用を始めることが可能です。

「カイテク」と「カイテクシフト」を活用することで、介護・看護業界の人手不足や業務負担の課題を解決し、より働きやすい環境を実現できるでしょう。

資金調達:2022年4月に3.7億円を調達

(引用:PR Times)

カイテクは、2022年4月に総額3.7億円の資金調達を実施しました。本調達は、はたらくFUND、三菱UFJキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、プラス株式会社、および複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資によるものです。

また、同社は2020年9月のシードラウンドにおいても、1億円を調達しています。

業界トレンド:介護業界における人材不足と対策

2024年 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」を元にカイテクが作成(引用:PR Times)

介護業界では、急速な高齢化に伴い、深刻な人材不足が課題となっています。政府の推計によると、2026年度には約240万人の介護職員が必要とされ、2040年度には約272万人に達する見込みです。

背景には、要介護認定者数の増加に伴うサービス需要の拡大があり、このままでは介護の提供体制が追いつかなくなる可能性が指摘されています。

介護職の待遇改善と働きやすい環境の整備

この人材不足を補うため、政府や企業はさまざまな施策を講じています。

まず、介護職の処遇改善が重要視されており、2024年2月から5月にかけて介護職員の収入を2%程度(月額約6,000円相当)引き上げる措置が実施されました。また、2024年度の介護報酬改定では、複数の処遇改善加算を一本化し、より多くの事業所が活用しやすい仕組みに変更されました。

加えて、給与アップを目的とした補助金制度として、「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」などが導入・拡充。介護職員の給与水準の引き上げが継続的に進められており、賃金の向上を通じた人材確保や定着の促進が期待されています。

多様な人材の確保と育成も進められており、中高年の未経験者に対する入門研修やキャリアアップ研修も拡充。ICTや介護ロボットの導入も推進されており、具体的には記録業務を効率化する電子カルテシステムや、利用者の見守りを支援するセンサー技術の導入が進んでいます。これにより、介護職員の業務負担を軽減し、介護サービスの提供効率を高めることで、少ない人員でも質の高いケアを提供できることが期待されています。

また、離職率の高さが問題視される中、働きやすい環境の整備として、介護施設内の保育施設の設置や週休3日制の導入、副業・兼業の促進などが実施されている状況です。生産性向上ガイドラインの普及や、相談窓口の設置などを通じて、現場の負担を軽減する取り組みも進められています。

外国人材の活用と将来展望

外国人材の受け入れも拡大されており、日本語学習支援や介護福祉士国家試験の対策講座の実施などが進められています。特定技能制度のもと、海外12か国で介護技能評価試験が実施され、日本の介護業界への就労の道が開かれています。

加えて、留学生向けの「介護福祉士修学資金貸付制度」や、外国人職員が働きやすい環境を整備するためのメンタルヘルスケア支援、巡回訪問による相談体制の強化も進められているそうです。

このように、介護業界では人材不足という大きな課題に対し、待遇改善や多様な働き方の推進、外国人材の活用といった多方面からの対策が講じられています。

今後、さらなる人材確保と業務効率化が進めば、介護サービスの質の向上につながることが期待されます。また、労働力不足が課題となる他の業界でも、ICT活用や外国人材の受け入れといった介護業界の取り組みは参考になるでしょう。

企業概要

  • 企業名:カイテク株式会社 / CaiTech inc.
  • 代表者:代表取締役 武藤 高史
  • 設立:2018年2月9日
  • 所在地: 〒160-0022 東京都新宿区新宿1丁目23番1号 THE PORTAL 新宿御苑 2F
  • 提供サービス:
    • 介護・看護単発バイト「カイテク」
    • 介護・看護ワークシェアリング「カイテク・ワークシェアリング」
  • 公式HP:https://corp.caitech.co.jp/

まとめ

本記事では、介護・看護分野に特化した単発バイトマッチングサービスを提供するカイテク株式会社について紹介しました。

New Venture Voiceでは、このような注目スタートアップを多数紹介しています。

カイテク株式会社のように、国内外の面白い企業についてもまとめているため、関連記事もご覧ください。

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